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人権一口メモ No.256

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兵庫県太子町

■恕(じょ)の心
8月は、「人権文化をすすめる町民運動」推進強調月間でした。6日に開催された記念大会では、人権ポスター・標語の表彰や西家道代さん(シッティングバレーボール女子日本代表)による記念講演が行われました。町民の皆さんにとっても人権について考えるよい機会になったのではないかと思います。
私は、「人権」について考える時、論語に出てくる「恕」という言葉をよく思い出します。
昔、孔子の弟子の子貢が「先生、人の生き方で一番大切なことは何ですか」と問いかけたとき、孔子はしばらく考えてから、一言「恕」と言ったそうです。これは、「許す」という意味と「思いやり」という意味があります。孔子は続けて、自分が嫌だと思うことは、人にしてはいけないと説いたそうです。
昨年度の揖龍人権教育研究協議会総会では、映画「みんなの学校」にもなった大阪市立大空小学校初代校長の木村泰子先生にご講演をいただきました。子どもたち一人一人が生き生きと生活している大空小学校のきまりは、「自分がされて嫌なことは、人には絶対にしない」のたった一つだけだそうです。正に「恕の心」です。
人間は、自分にとって「心理的な危機状況」や「自分の内面と外側の不一致」が生じたときに、相手をコントロールすることで心の安定を得ようとすることがあるそうです。その手段はさまざまですが、怒って相手を怖がらせたり、相手を悪く言って罪悪感を抱かせたり、無視をしたり、自分の正しさを主張したりして相手をコントロールしようとするそうです。しかし、そのような行為は、無自覚に、時には意図的に相手の人権を傷つけることにもつながります。映画「破戒」には、「差別はなぜ起きるのか。それは、人間が弱いから。」というせりふがありました。心のいら立ちや不安をよくない形で相手にぶつけるのではなく、自己の内面を見つめ、「恕の心」をもって相手に寄り添うことができれば、望ましい人間関係の形成につながり、一人一人の人権が大切にされる社会の実現に一歩近づくのではないかと思います。

問合せ:社会教育課

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