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自治体の皆さまへ

人権一口メモ No.264

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兵庫県太子町

◆「私は差別なんてしない」本当に?

「日本語、お上手ですね」
Aさんは、外国の人を褒めようとして言ったのですが、少し元気のない声で、「ありがとうございます」と返ってきました。それはどうしてでしょう。
なぜなら、その相手の人は、両親が外国にルーツをもつ日本国籍の人だったからです。見た目で判断され、「あなたは日本人ではない」と言われているような気がして、疎外感を感じてしまったというわけです。
このようなことは、日常生活の中でたくさん起こっています。「まだ若いのにいいことを言うね」、「女性なのに出世してすごい」、発言者は、相手を褒めようとしていますが、その裏には、「若者は大したことない」、「女性は出世できない」という無意識の思い込み(アンコンシャスバイアス)が潜んでいます。
これが言動として表れることを、「マイクロアグレッション」と言います。マイクロは「小さい」、アグレッションは「他者への攻撃」を意味するように、多くは日常生活の中での些細な言動であり、「自覚なき差別」とも言われます。この問題の特性として、言っている側は、相手を傷つけようと意図していないどころか、むしろ褒めようとしている場合すらあるということです。従って、言われた側は、「言った側に悪意はない」とわかっているから言い返せないし、言った側も気付きにくい問題だと言えるでしょう。
また、一般的な誤解として、「意図がなければ問題ない」と思われがちですが、重要なのは「受け取る側の感じ方」です。「言われた側は一生覚えている」と恨み節を耳にするのは、これに起因しているのかもしれません。
私自身、「人権についてたくさん学習してきたので、私は差別なんてしませんよ」と、胸を張って言ってみたいものですが、自分にも無意識の差別が潜んでいると感じることが多々あります。マイクロアグレッションは、暴行・脅迫や殺人、差別や嫌がらせを下支えしているものだと考えられています。口にしてしまった場合は、真摯に反省を繰り返し、今後の言動に生かしていくことが大切だと感じています。

問合せ:社会教育課

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