◆自覚なき差別
本年度の住民学習会で活用していただく人権啓発映画「言葉があるから…」を紹介します。この映画は、広報たいし5月号の人権一口メモに掲載した、「自覚なき差別」がテーマです。無自覚なまま加害者になってしまわないためにどのようなことが大切なのか、登場人物たちと共に考えていく内容となっています。
映画の主人公は、この作品の中で、さまざまな言動(「日本人女性は優しい」、「若いのにもったいない」など)に違和感を覚えます。そんなある日、「マイクロアグレッション(小さな攻撃性)」という言葉に出会った主人公は、日頃感じていたさまざまな違和感がこの言葉に関係していると気付きます。それと同時に、そのような言動を自分もしている可能性があると感じ、どうすればよいか考え、行動に移す姿が描かれています。属性にとらわれず、ありのままのその人と向き合う大切さについて、映画を通して学んでいける映像教材となっています。
「人権」は、日常の何気ない人と人との関係性の中にも、(当然ですが)存在します。しかしながら、普段は当たり前に理解していることですが、家族や友人、同僚などの近く親しい関係性においては、相手を一人の人間として尊重する意識がおろそかになってしまうことがあります。そして、そのような形式ばらない場でこそ、あからさまな差別表現でないにしても、無自覚に相手の尊厳を傷つけてしまうことがあるのです。
このような「マイクロアグレッション」の背景には、国籍や人種、性別、性的指向など、特定の属性の人たちへの軽視や偏見が隠れていることがあります。そして、それらの偏見は、社会で暮らしていく中で、知らず知らずのうちに刷り込まれてきたものだと言えるでしょう。
本映像教材は、自分の中に潜む無自覚の差別について、改めて問い直すことができる内容となっています。ぜひ、住民学習会で活用いただき、職場や家庭内で「人権」について話し合うきっかけとして役立てていただければと思います。
問合せ:社会教育課
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