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自治体の皆さまへ

新春座談会 スポーツと人材育成(2)

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兵庫県姫路市

■人材育成とそれを支える仕組み
市長:現在、20歳の人の人口は全国で120万人ほど。一方、令和4年の出生数は77万人です。生徒数や学級数が減っていくことはもはや避けられず、このままでは子どもたちにとってスポーツや勉強の選択肢が狭まってしまうのではないかと危惧(きぐ)しています。そのため、三つある市立高等学校(姫路・琴丘・飾磨)の統合に向けて準備を進めています。芸術や運動生理学など、さまざまな分人材育成とそれを支える仕組み野を盛り込んだ教育カリキュラムを検討しており、高校教育を充実させたいと考えています。

播戸:私が中学2年生の時にJリーグが発足しました。私は三浦知良選手に憧れ、中学卒業後、ブラジルに行きプロになろうと思っていましたが、高校は卒業したほうがよいと両親に言われ、進学を決めました。琴丘高校を選んだのは、前任の福崎高校を県大会の決勝まで導いた樽本直記先生がいらっしゃったからです。
琴丘高校では、全国大会にこそ出られませんでしたが、全国高等学校サッカー選手権大会の兵庫県大会は準優勝して、プロ選手にもなれました。この高校に通っていたおかげだと思います。寛容な先生たちに見守られ、本当に充実した高校生活でした。

市長:良い指導者に巡り会われたのですね。

播戸:ええ。私自身、プロとして21年間プレーして、七つのクラブに所属し、海外も含めいろいろな土地に行きました。そうした経験を踏まえて、私が若い世代の人に伝えたいのは、外の世界に出て、たくさんの人と触れ合ってほしいということです。多くの経験を積み、それを地元のためにどう生かせるかということも考えてほしいです。

境田:現在、スポーツ庁のスポーツ審議会委員を務める中で、最も重要な課題は少子化だと感じています。今は野球のメンバーを集められない学校が増えています。また、先生の休日出勤などの問題もあります。国では、部活動を地域の外部プロフェッショナルなどに委嘱する政策を進めようとしていますが、多額の資金が必要で、簡単には進みません。
そこで私がお薦めしているのが、スマホアプリで簡単に母校への寄付が行える仕組みです。しかし、これにも課題があり、公立学校に寄付しようと思っても、学校単位の口座がなく、自治体への寄付になってしまいます。例えば寄付額の8割を寄付先の学校に送り、残りの2割を自治体が所管する公立学校の施設整備に回せないか、議論を重ねています。現在、渋谷区などで実証実験をしており、うまくいけば全国の自治体に広げたいです。母校に貢献したいという思いを持っている人が簡単に地域貢献できる仕組みを、国に提案しています。

市長:それは素晴らしいお考えですね。私たち行政は、常に施設のランニングコストに頭を悩ませています。ヴィクトリーナ・ウインク体育館(中央体育館)のように、ネーミングライツを活用している施設もありますが、やはり先立つものがなければ、施設環境を維持することも難しい。悩ましい問題です。

■一人ひとりが輝くために
播戸:これからの世代の人たちには、人から知見を与えてもらうだけでなく、自分からたくさんの場所に行ってほしいです。例えば英語を学ぶなど、自分を磨くことの大切さをこれからの世代に伝えたいです。
またスポーツに関して、姫路市には指導者や観戦に関することなど、ソフト面の整備にも取り組んでいただければと思います。スポーツは、プレーする人も応援する人も熱くさせ、明日への活力を与えてくれます。今を生きる子どもたちが、スポーツと共に健康で楽しい人生を送れる姫路市になってほしいですね。

境田:私は今の時代が面白くて仕方ないと感じています。例えば昨今、「チャットGPT」などの生成AIが社会の仕組みを劇的に変えようとしています。しかし、どう変わっていくのか、何をしていくべきなのか、誰にもはっきりとは分かりません。つまり、未知のフィールドが広がっていて、誰でも新しいことにチャレンジできるということです。
また、デジタル化による変革の波も大きいです。失敗してもよいのでチャレンジすることが大事だと考え、私もプログラミングの勉強を始めました。やってみると、いろいろな発見があって面白いです。何かにトライすると、成功する可能性が至る所にあります。こうした状況を皆さんにも楽しんでいただきたいですね。

市長:境田さんは、今が青春真っ盛りですね。確かに、世の中の価値観は変わりました。今後はスポーツや芸術など、勉強以外のことに秀でた人材も広く受け入れる多様性が求められると思います。
昔は体罰などもあり、スポーツを楽しめずに辞めてしまった人もいたと思います。播戸さんには、スポーツを楽しませ、辞めようと思わせなかった、先生やご両親の温かいサポートがあったのでしょうね。これからの人材育成は、選手・生徒ファーストです。多様な価値観を認め、楽しいと思い続けられる環境をつくることが大事なのではないでしょうか。播戸さんはそうした環境の中で、世界に通用する選手になるための方法をご自身で探求されました。これからの子どもたちも、私たち周囲の大人がサポートしていきたいですね。

播戸竜二さん:自分を磨くことの大切さをこれからの世代に伝えたい
境田正樹さん:今の時代が面白くて仕方ないと感じています
清元市長:これからの人材育成は選手・生徒ファースト

聞き手:広報推進員 大山純奈

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