新病院整備は実施設計が始まり、今年8月ごろより建設工事に着手する予定で進んでいます。新病院が開院した後の事業収支シミュレーションは昨年6月、工事費の見直しとあわせて試算しましたが、現状の患者数や診療単価、人件費の上昇分を考慮し、あらためて試算した最新の将来見通しをお知らせします。なお、事業収支シミュレーションにかかわる兵庫県との直近の協議状況が反映できていない点が一部ありますので、今後あらためてお知らせする予定です。
■シミュレーション見直し内容
試算にあたって見直した主な項目は表1の4項目。令和6年度の上半期までの実績を考慮し、開院1年目の入院・外来患者の診療単価や外来患者数を見直したほか、約30年ぶりの高水準となった給与費の上昇率を人件費に反映しました。
また、事前に積み立て賞与を支払うときに充てる「賞与引当金」を取り崩す際の取り扱いを変更しました(表1※)。この変更により、賞与引当金の取り崩し額が純損益には含まれず、前回(令和6年6月)の試算とは金額が一致していませんが単年度資金収支の算定に影響はありません。
▽表1 見直し項目比較表
※「賞与引当金」取り扱いの変更
前回までは「賞与引当金取崩額」を表2の給与費に含めて試算していましたが、支出内容をより明確にするため給与費には含めず、新たに表3の「賞与引当金取崩額」として単年度資金収支の試算に含める取り扱いとしました。
◆シミュレーション結果
○事業収支の状況は?
見直した内容で試算した結果、開院後10年間の純損益(C)の合計は、前回が約27.8億円の赤字でしたが、今回の試算では約26.4億円の赤字となる見込みです(表2)。また、開院後10年間の単年度資金収支(G)の合計は、前回の試算とほぼ同額の約3.9億円の赤字となる見込みです(表3)。
▽表2 純損益の推移 ※( )内は前回の試算額
単位:百万円
▽表3 単年度資金収支と現金預金残高の推移 ※( )内は前回の試算額
単位:百万円
○今回の見直し 経営への影響は?
新病院の経営は開院後10年間での純損益と単年度資金収支の状況に大きな変化はありませんが、人件費の増額分と外来収益の減少分を賄うため、開院前の時点で現金預金残高(H)は前回の試算から約8.1億円減少する見込みです。開院10年後の令和19年度末時点では、現金預金を約8.8億円保有する見込みで、新病院の経営に支障が生じることはありませんが、新病院の開院に向けて現金預金が少しでも増えるよう経営努力を続けていきます。
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