~患者さんに寄り添い、地域から信頼される病院になります~
■最先端の放射線治療を市内で安心して受けられます
放射線治療科 主任医長 阿南 慎平(あなみ しんぺい)
2012年和歌山県立医科大学卒業。2年間の研修を経て、2014年同大学附属病院放射線科に入局。2019年に同病院放射線科助教、2023年4月より現職。日本放射線腫瘍学会放射線治療専門医・指導医の資格を持つ。座右の銘は「守破離」。
◇放射線治療とは
がん治療の3本柱は手術療法、薬物療法、放射線治療です。中でも放射線治療は体への負担や、副作用が少ないと言われています。
痛みや熱さを感じることがないため、高齢者や合併症で体力が低下した人でも安全に治療できます。
◇放射線を当てても体は大丈夫ですか
放射線治療により免疫力が落ちたり、新たにがんができたりすることは比較的稀(まれ)なことです。副作用は、乳がんでは皮膚炎、前立腺がんでは頻尿など、放射線を当てる領域周辺のみに現れ、悪化しても多くの場合、薬で抑えることができます。
また、副作用が少ないため、通院治療が可能です。回数は治療の目的やがんの種類によってさまざまですが、根治治療は最少で4回、緩和治療は最少で1回と、近年は非常に少ない回数で治療を終えることができ、患者さんの負担軽減にもつながっています。
◇宝塚市における放射線治療
当院は2018年にがんセンターを開設し、放射線治療センター、化学療法センター、がん診療支援センターが連携してがん治療を行っており、多くの疾患に対応していることから、放射線治療の患者数は年々増加傾向にあります。
放射線治療センターは、放射線治療を専門とする医師のほか、治療装置を扱う医学物理士、症状や精神的なサポートをするがん放射線療法看護認定看護師など多職種で一丸となって治療に当たっています。治療装置は「トモセラピー」を導入し、IMRT(強度変調放射線治療)や定位照射(ピンポイント照射)と呼ばれる、根治を目指した高精度治療を得意としています。
IMRTは、放射線に強弱をつけて照射する治療法で、正常組織に当たる放射線を抑えつつ、腫瘍に集中して照射でき、複雑な形をした腫瘍、大きな腫瘍に有効です。
従来の治療:腫瘍にも正常組織にも同じように当たってしまう
IMRT:照射を腫瘍に集中させ正常組織へは減らすことができる
定位照射は、腫瘍に対して通常よりも強い放射線を多方向からピンポイントに当てる技術で、特に小さな腫瘍に有効です。さらに、呼吸により大きく移動する肺や肝臓などの腫瘍の場合、動きに合わせて照射できる動体追尾照射システムも備えているため、高精度で副作用の少ない治療ができます。
また、これらの高精度治療だけでなく、がんによる痛みや出血を和らげるための緩和照射も積極的に行っています。当院では専門的かつ標準的ながん治療を受けられますので、かかりつけ医からの紹介状をお持ちの上、安心して受診してください。
■がんサロン「セキレイ」(対面式とZoomの同時開催)
がん患者同士の不安や悩み、体験を話す交流の場です。
日時:4月17日(水)15時~15時45分
場所:がん診療支援センター(現地参加は開始10分前までに直接会場へ)
対象者:がん治療中の人とその家族
(当院を受診していない人でも参加可能)
問合せ:同センター
【電話】87・1161
■エフエム宝塚(83.5MHz)「市立病院の得した気分!」
日時:4月13日(土)17時20分~17時50分
(再)4月14日(日)19時~19時半
出演:放射線治療科
主任医長 兼 放射線治療センター副センター長 新谷 尭(しんたに たかし)
主任医長 阿南 慎平
■YouTube広報番組「知ってよ!宝塚」
「進化するがん診療 宝塚市立病院がんセンター」
あわせてご覧ください。
■院内に無料Wi-Fiと待合番号案内アプリを導入
詳しくは、本誌6面をご覧ください。
問合せ:市立病院
【電話】87・1161【FAX】87・5624
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