市立病院だより

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～患者さんに寄り添い、地域から信頼される病院になります～

■刺すような強い痛みを感じたら…
三叉(さんさ)神経痛の症状と治療法

脳神経外科主任医長　兼　リハビリテーション科主任医長
美山　真崇(まさたか)
日本脳神経外科学会専門医・指導医、日本脳血管内治療学会専門医、神経内視鏡技術認定医。日本脳神経外科学会、日本脳卒中学会、日本脳卒中の外科学会、日本脳血管内治療学会、日本てんかん学会、日本神経内視鏡学会所属。防衛医科大学校卒業。10年間、脳神経外科医として埼玉・東京・北海道で研鑽(さん)を積みつつ、陸上自衛隊医官として部隊勤務や熊本地震、新型コロナウイルス感染症対応などの災害派遣に従事。2023年4月より市立病院で勤務。

ある日突然、歯茎や頬、鼻周りに刺すような耐え難い痛みが出てきたら「三叉神経痛」かもしれません。

三叉神経は、顔に広がる12対の脳神経の一つで、触った感覚や痛み、熱などの情報を脳に伝えています。三叉神経痛とは、何らかの原因でこの神経が受けた刺激を脳が痛みとして認識してしまい、顔面に痛みが突然起きる病気で、洗顔、歯磨き、食事、ひげそりなど顔面へのちょっとした刺激がきっかけとなり、数秒から数分間、針で刺されるような痛みを引き起こし「片側顔面の電撃痛」とも呼ばれています。この病気自体が命に関わることはありませんが、激痛がいつ起こるか分からない恐怖心から、「痛みが怖くて歯が磨けない」「食事をすると痛むので食事を摂れない」と感じ、日常生活に大きな支障を来します。さらに最悪の場合には、うつ病にまで至る可能性のある病気です。

この三叉神経痛の原因の一つとして、三叉神経が蛇行した脳血管に圧迫されることが挙げられます。
治療は、内服療法から開始します。テグレトールという抗けいれん薬を用いて痛みのコントロールを行うことで、多くの場合症状が大きく改善します。しかし、中には十分な効果が得られない場合やふらつきなどの副作用が強く出てしまう場合もあり、外科手術や、神経を麻酔薬などで麻痺(まひ)させるブロック治療、一点集中で放射線を照射し、神経を麻痺させるガンマナイフ治療を検討します。
外科手術後の発作抑制率は70～90%程度と高く評価されています。当院でも手術用顕微鏡や術中モニタリングシステムを完備しており、安心して手術を受けていただけます。ブロック治療、ガンマナイフ治療は、近隣の医療機関と連携し適切な治療を継続していただけます。

当院では、脳神経外科専門医が三叉神経痛の原因をMRIなどの画像検査を用いて診断し、治療に当たっています。「顔の片側が時折刺すように痛む」「痛みのために顔も洗えない、歯が磨けない」などの症状でお困りの方、身近にそのような方がいらっしゃる場合は、ぜひかかりつけ医からの紹介状を持って当院脳神経外科にご相談ください。

■がんサロン「セキレイ」(対面式とZoomの同時開催)
がん患者同士の不安や悩み、体験を話す交流の場です。
日時：2月19日(水)15時～15時45分
場所：がん診療支援センター
(現地参加は予約不要。開始10分前までに直接会場へ)
対象者：がん治療中の人とその家族
(当院を受診していない人でも参加可)

問合せ：同センター
【電話】87・1161

■エフエム宝塚(83.5MHz)「市立病院の得した気分!」
日時：2月8日(土)17時20分～17時50分
(再)2月9日(日)19時半～20時
テーマ：刺すような強い痛みを感じたら…三叉神経痛の症状と治療法
出演：脳神経外科主任医長　兼　リハビリテーション科主任医長　美山　真崇

■3月1日(土)は救急診療を一部制限します
8時～13時の間、災害訓練のため救急外来の診察をかかりつけ患者のみに制限します。
また、この時間の受付窓口は正面玄関となります。ご不便をおかけしますが、ご協力をお願いします。

問合せ：経営統括部
【電話】87・1161【FAX】87・5624

問合せ：市立病院
【電話】87・1161【FAX】87・5624