もっとあまがさきが好きになる、さまざまなあまがさきの魅力をお届けします
■桂米朝
しゃれが命のおどけ話。扇子と手拭いだけを携え、身一つで聞き手を物語の世界にいざない、「落ち」でどんでん返しを食らわせる。そんな伝統的な話芸「落語」。平成27(2015)年に89歳で亡くなった人間国宝の落語家・桂米朝は、本市を拠点に活躍しました。
▽尼崎で落語家を育てる
米朝は戦後、消滅寸前だった上方落語の復興に尽力し、寄席だけでなくラジオやテレビ番組など多方面で活躍しました。
昭和36(1961)年から武庫之荘に居を構え、自宅で内弟子修行をした直弟子は枝雀・ざこばなど19人に上ります。昭和47(1972)年の尼崎市民芸術賞受賞をきっかけに、若手落語家の育成と市民の落語に対する理解を深めることを目的として、昭和52(1977)年から現在の総合文化センターの近くにあった施設で尼崎落語勉強会を始めます。未熟でも一生懸命に演じればお客さんが応援してくれると、物事に取り組む姿勢の大切さを伝えました。同勉強会は弟子が引き継いで、現在も偶数月に総合文化センターで開催しており、今月で第284回を迎えます。
▽功績を後世に
米朝が武庫之荘の自治会「武庫之荘文化会」で副会長を務めたこともあり、米朝の足跡を残そうという地元住民の要望で、令和元(2019)年に自治会館(武庫之荘3丁目)内に記念コーナーの設置が実現しました。米朝ゆかりの品や、軌跡をたどる年表など約20点が展示されており、平日午前9時〜午後4時、自由に見学できます。
また、2月8日〜3月23日、同センターで、「生誕百年・没後十年特別展 桂米朝 噺家(はなしか)の姿」を開催します。多数の写真や絵画などを展示し、資料を通して米朝が歩んだ落語の道をたどることができます。ぜひご来館ください(詳細は本紙26ページ参照)。
■あまらぶクイズ
落語を演じるときにないものはどれでしょう?
(1)落ち
(2)扇子と手拭い
(3)実物のうどん
答え:(3)実物のうどん
<この記事についてアンケートにご協力ください。>