■ひつぎの中のドライアイスで二酸化炭素中毒
ひつぎの中に顔を入れない、一人にならない
日本では一部例外を除き、人が亡くなってから24時間経過した後でなければ埋葬や火葬を行ってはいけないことになっています。通常、人が病院で亡くなると病院では遺体を数時間しか安置できないので、葬儀までの間は自宅や斎場などに安置します。その時、遺体の保全のため葬儀業者がドライアイスなどで冷却・保冷を行います。亡くなってから火葬までの間は、遺体の近くに常にドライアイスが置かれ、ひつぎの中は二酸化炭素が充満していることになるのです。
事例1:ドライアイスを敷き詰めたひつぎの小窓を開けたそばで、意識不明の状態で倒れていた。葬儀場から病院へ搬送されたが、搬送先の病院で死亡した。
事例2:自宅で、ドライアイスを敷き詰めたひつぎの中に顔を入れた状態で発見された。搬送先の病院で死亡が確認された。
経緯は分かりませんが、通夜終了後に遺族が寝ずの番をしている時間帯に発生したとされています。周囲に人がいない中で、故人にゆっくり別れを告げようと、ひつぎの中の故人に話しかけている時に事故が起きていると推測されます。葬儀は非日常的な場面です。ひつぎの中でドライアイスが気化して二酸化炭素が充満している、という危険性にまで気が回りません。葬儀の際は、ひつぎの中に顔を入れない、室内の換気を十分に行う、線香番などで一人にならない、気分が悪くなったらすぐにひつぎから離れるなど気を付けましょう。
問合せ:消費生活センター
【電話】072-740-1167
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