文字サイズ
自治体の皆さまへ

〔Column〕生きる

45/51

兵庫県川西市

■心の持ち方 Vol.2
「分からないことを分からないまま耐える」という選択肢

前回に続いて、もう一つ「心の持ち方」を紹介します。「ネガティブ・ケイパビリティ」という言葉をご存じでしょうか?英国の詩人キーツの言葉です。私は、「容易に答えの出ない事態に白黒つけず、グレーのまま耐えうる能力」と解釈しています。
娘が不登校だった時期、私はあらゆる方法を使って登校を促しました。今考えると「娘のため」というよりは、「親である自分が安心したいから」だったのだと思います。まさに私は「学校へ行かない娘」という明快な答えの出ない状態に耐えられず、「そのままの娘の姿を受け入れる」という「グレーのまま耐えうる能力」に欠けていたのです。私が根負けして娘の不登校を受け入れてから、親子の関係性は以前よりも良くなり、物事を曖昧なままにしておけるようにもなりました。
人生は、思い通りにならないことだらけですよね。そんな時に「努力で理想に近づけようと頑張る」か「きっぱり諦めて手放す」のどちらかを選びがちですが、「分からないことを分からないまま耐える」という選択が必要な時もあります。人間の脳には「分かろう」とする性質があるため、放っておくと白黒付けたがりますが、グレーで踏ん張ることも時には大切です。タイムパフォーマンスが重要と言われる現代ですが、「すぐに答えを出さなくてもいい」「時間がかかることもある」と言い聞かせながら、時にはじっくり問題と向き合ってみてください。
(会話の泉事務局長コミュニケーション・サポーター横山由紀子)

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU