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〔Column〕生きる

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兵庫県川西市

■「差別」の事例から考える Vol.2
◇「お客様の安全」危険を知らせる方法は他にもあります
前回は、知的障がいのある子どもが絵画教室に入るのに保護者の付き添いを条件にされたケースを紹介しました。障がいのある人が何かをする時に付き添いを求められることはよくあります。
例えば、あるレジャー施設に、聴覚障がいのある親子が遊びに来ました。ところが、入口でスタッフから「聞こえる人と一緒でなければ入場できない」と筆談で伝えられました。「災害時に館内放送が聞こえないと危険。お客様の安全を確保できないから」というのが拒否の理由でした。
「どうして僕らだけ入れないの」という子どもの声が紹介された新聞記事を見て胸が痛みました。情報を伝える手段は館内放送以外にもあります。もし地震が起きたら、聴覚障がいのある人は当然、周りの様子を見ながら他の人と同様に避難するなどの行動をとるはずです。館内放送の日本語が分からない外国籍の人だって、そうするでしょう。
付き添いの強要には、「障がいがある人イコール無力で常に助けが必要な人」という偏見があります。付き添いを条件にすることは、聴覚障がいのある人の行動を制限する差別になりえます。
このケースは行政の窓口に相談があり、レジャー施設の対応は「不当な差別的取り扱い」と認められました。運営会社は古いマニュアルに沿って対応したことを認め、謝罪しました。マニュアルも人の意識も、更新しなければなりません。
(公財)世界人権問題研究センター研究員 松波めぐみ

問合せ:人権推進多文化共生課
【電話】072-740-1150

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