■舌痛症(ぜっつうしょう)を知っていますか
舌痛症とは、主に中年の女性に発症する疾患で、舌尖(ぜっせん)(舌先)や舌の縁が、ヒリヒリ、ピリピリ痛む症状です。やけどしたような感じがすると言う人も多く、口腔灼熱(しゃくねつ)症候群とも言われます。
痛みは夜間に多く、食事中にはほとんど感じないことが特徴です。女性タレントの舌がんの手術から、舌がんを心配して歯科医院に来院する人もいます。
原因は、完全に解明されておらず、ストレスが関わることが多いとされています。
例えば、1カ月前から症状が現れた場合、その頃に何か心が不安定やうつ傾向になることがなかったかを注意深く問診すると、子どもの受験や職場での人間関係の変化、夫が定年でずっと家にいるようになった、親しい人が亡くなった、自身に病気が見つかって入院を勧められているなどの話が出てくることがあります。
これらの情報から診断が確定することが多いです。ただ、なぜストレス、うつ、不安などがあると舌に痛みが生じるのかは、まだよく分かっていません。
舌痛症は病気ではありますが、典型的な病気(例えば舌がん)ではないということを患者さんに説明すると、納得して何か治った気がするというようなケースが多いです。
症状が重い場合は心療内科の受診を勧めることもあります。今までお話ししたような症状に身に覚えがある人は、どうか遠慮せずに歯科医院を受診してください。
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