〔Column〕学び育つ

56／65

■悩みに気付き笑顔で子どもと向き合う
(一社)青少年養育支援センター陽氣会　理事
椎野巧哉さん

○子どもとの関わり方を学ぶ
「イライラすることもある子育て。ペアレントトレーニングが、子育てで悩む人にとって頑張れるきっかけになればうれしいです」
そう話すのは、令和5年11月から市が実施するペアレントトレーニング講習会で講師を務める(一社)青少年養育支援センター陽氣会理事の椎野巧哉さん。
同講習会では、親子の関係性や、発達に応じた子どもとの適切な関わり方などを講義やロールプレイング、個別カウンセリングなどを通じて学びます。椎野さんは、講師として家庭で取り組める子育てのちょっとしたコツをアドバイスしています。
「参加者の多くは、子どもとの関わり方に悩んでいる人。親が自分自身の感情を上手くコントロールできないといった相談を受けます。母親だけではなくパートナーも一緒に学ぶ場合も多いですね」

○話を聞いて悩みを知る
参加者とコミュニケーションを図るために、大切にしていることがあると椎野さん。
「心掛けているのは、参加者が抱えている悩みをまず聞くこと。悩みは一人一人違います。参加者はきっと私たちに話を聞いてほしいと思うんです。だからこそ、私たちは参加者の話を聞くことから始め、つまずいているところを引き出して解決方法をアドバイスする。知らなかったことを講習会を通じて知ることで、子育てへの取り組み方が変わります。少しでも前向きな気持ちで、子どもと関われるようになってもらえたらうれしいですね」

○親の笑顔が子どもの笑顔につながる
子どもが笑顔になるには、まず親が笑顔になることが大切だと話します。
「子育てと聞くと『しんどい』や『つらい』などネガティブなイメージが先行しがちですが、子育ては本来楽しいもの。関わり方を知るだけで、親も心に余裕ができて子どもと向き合うことができます。子どもも親も笑顔で暮らすことができる社会づくりに貢献できれば。まずは、ペアレントトレーニングの定着に向けて、精一杯取り組んでいきます」