■磁石を利用した入れ歯
歯を失ったとき、補う方法の一つは入れ歯です。入れ歯には部分入れ歯と総入れ歯があります。部分入れ歯は、一部の歯を失った時に、金属のバネで残っている歯に固定し入れ歯を安定させるもの。総入れ歯は全ての歯を失った場合や歯の根のみが残っている場合、歯肉と吸着させて安定させます。総入れ歯は部分入れ歯と比べ、歯肉や顎の骨などの状態で、安定しにくいことがあります。
歯の根のみが残っている時、入れ歯を安定させるために磁石を使う方法があり、部分入れ歯でも可能です。歯の根に、磁石に反応する金属を付け、入れ歯側に磁石を付けることで安定しやすくなります。取り外しも比較的簡単にできます。状態によっては入れ歯の大きさもある程度小さくすることが可能に。入れ歯が壊れて修理ができない場合や新しく入れ歯を作る場合でも磁石は新しい入れ歯へ付け替られます。
歯の根が短い場合や動く場合は、磁石を使うと歯が抜けたり、金属が外れたりする可能性があるため使えないことも。磁石を使う方法は、令和3年から保険診療が可能になりました。
磁石を利用した入れ歯で注意することは、MRI検査です。同検査は磁力を利用して撮影するため、入れ歯を付けたまま撮影すると入れ歯が口の中から飛び出したり、磁力がなくなったりするため、必ず外して撮影を。
金属を付けた接着剤が緩んでいると、外れて口内に傷がつくなどの危険があるため、撮影前には歯科医院で見てもらいましょう。
(市歯科医師会)
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