■障がい者に寄り添った22年 感謝と笑顔が生きがいに
(特非)裸足の楽園 理事長 岡田多聞さん
○市と厚生労働大臣から表彰
「障がいをお持ちの方々との日々は、友人と過ごす日常であり、生きがいでもあります」
そう話すのは障がい者に関する団体で役職を歴任する岡田多聞さん。長年の活動が評価され、誇りあるふるさとづくりで活躍する人に市が贈る、りんどう賞を令和5年に受賞。また、障がい者の自立支援や社会参加の促進に、大きく寄与した人に国が贈る、障害者自立更生等厚生労働大臣表彰も受賞しました。
「特別なことをしてきたつもりはありません。ご縁の中で、自分にできる範囲のお手伝いをしてきました。障がいをお持ちの方々と共に歩んできた日々を評価いただいたことは、今後の励みになりますし、とてもうれしいです」
○得意なことで役に立ちたい
「初めて障がいのある人に関わったのは、退職後に応募した音訳ボランティア講座。人前で話すのが好きで、それを生かして人の役に立ちたいと思いました。また、白内障で目が見えなくなった過去の経験も、同じ悩みで困っている人を助けたいと、一歩を踏み出す後押しになりました」
音訳ボランティアグループ「さわらび」のメンバーに講座で声を掛けられ、活動の幅が広がったといいます。
「何事も構えずやってみることにしているので、すぐに参加しました。広報誌などの重要な情報も、音訳しなければ届かない人がいます。自分の声で伝えることができ、参加して良かったと感じています」
○活動が生んだ思い出と人の輪
障がい者の生活支援や社会参加のために活動する裸足の楽園について語る岡田さん。
「ガラス細工作りや俳句など催しは多種多様。講師の方々にはとても感謝しています。あるとき、陶芸の催しで全盲の友人が湯飲みを作ってくれました。何度も試行錯誤した、不格好だけど気持ちのこもった贈り物。それでお酒を飲むと最高においしく感じます」
他にもイベントで間をつなぐ漫談をしたり、体育祭で一緒に走ったりしながら司会を務めた岡田さん。
「どれもかけがえのない思い出です。それらを通して生まれた人の輪で、感謝の言葉や笑顔をいただくことが私の生きがい。これからも楽しんで活動を続けていきます」
問合せ:障害福祉課
【電話】072-740-1178
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