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人権シリーズ 343号

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兵庫県市川町

~感性豊かな人・まちづくりをめざして~

1945(昭和20)年、8月6日に広島に原爆が投下され、9日には長崎に投下されました。そして8月15日に日本は終戦を迎えました。この8月は戦争について平和について考えたいです。

■市川町遺族会 戦争体験語り部事業
市川町遺族会では、戦争体験者を講師に招き、当時の様子を語っていただく「戦争体験語り部事業」を実施しています。市川町内各小学校の6年生が対象です。その講師が堀尾幸二さんです。

「戦争は絶対にしてはいけない!」
授業は堀尾さんのこの一声から始まります。

▽堀尾幸二さん
堀尾さんは昭和4年生まれ。現在95歳です。ご高齢ですがたいへんお元気で、昨年度一月に実施した授業では、一時間立ったまま、平和への熱い思いを凛とした姿で語られました。

◆堀尾さんの戦争体験
◇1943(昭和18)年10月 14歳
東京陸軍少年飛行兵学校に入学。在学1年。

◇1944(昭和19)年10月 15歳
宇都宮陸軍飛行学校入学。在学中は米軍のグラマン戦闘機による空襲(機銃掃射)とそれへの応戦を何度も体験。

◇1945(昭和20)年6月 16歳
飛行学校を繰上卒業し、特攻任務を帯びて岡山飛行場へ赴任。特攻任務の直前に、岡山大空襲を受ける。特攻は中止となり救援任務に当たる。

上の写真(※本紙参照)は、堀尾さんが東京陸軍飛行兵学校に在学中の撮影で、当時15歳です。堀尾少年はこの写真の一年後、16歳という若さで特攻任務を帯びます。現在なら高校一年生の年齢です。
純真な16歳の少年が自分の死と向かい合うのです。あまりに理不尽ですが、堀尾さんによると、たとえ少年でも軍人ならば、お国のために死ぬのは当たり前であったということです。

◆むごたらしい空襲
岡山空襲では、「シャーッ」という風を切る焼夷弾(しょういだん)の落下音が忘れられないとのことです。そして、堀尾さんは数えきれない数の遺体処理に当たりました。その体験は、今思い出しても身の毛がよだつと言われています。
このような空襲は全国の主要都市のほぼ全てが標的となり、大きな被害を受けました。姫路市も二度にわたって空襲を受けています。
そして現在でも、ウクライナでは空爆が現実のものとして一般市民を脅かしています。

◆戦中戦後の苦しい生活・今の世の幸せ
食べ物もない苦しい生活を経て、日本は平和な豊かな社会を築きました。それを支えた世代の方々に感謝せねばなりません。そして、今の世を生きる我々は、平和を守っていかねばなりません。戦争の悲惨さを決して風化させてはいけません。それが堀尾さんの願いです。
「戦争は絶対にしてはいけない!」

■DVDの貸出
健康福祉課と教育委員会生涯学習課では、昨年度に堀尾幸二さんの授業を録画しました。そして、教材用に28分に編集したDVDを作成しています。DVDは貸し出しが可能ですので、希望される方は教育委員会生涯学習課までお問い合わせください。

問合せ:生涯学習課 人権教育啓発係
【電話】26-0001

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