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自治体の皆さまへ

人権シリーズ 360号

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兵庫県市川町

感性豊かな人・まちづくりをめざして
◆新年を迎えて
市川町人権文化推進協議会 会長 松下洋一

《町制合併70周年 さらなる人権文化の推進へ》
新年あけましておめでとうございます。
本年も皆様と一緒に、人権文化の誇れる町づくりに努めたいと思っています。
私たちの「市川町」は、昭和の大合併により1955(昭和30)年7月25日、旧川辺村・瀬加村・甘地村・鶴居村の4カ村が合併して誕生しました。これは当時の「町村合併促進法」により強力に推し進められた結果ですが、合併に至るまでの動きでは多少の紆余曲折があったと記録されています。

その4カ村が出会ってから、今年で70周年を迎えることになりました。「広報いちかわ創刊200号記念」には、合併前4カ村の役場の写真、合併翌年に竣工された川辺小学校の校舎をはじめ、鶴居小学校や瀬加中学校体育館等の写真が掲載されています。新生「市川町」をいち早く発展させるために、大きな行政課題である教育施設をはじめとする各種社会資本の整備が、力強く着々と進められてきたことがよく理解できます。
ところで、合併当時の大きな行政課題の一つに部落差別問題の解決がありました。「広報いちかわ」においても当初からこの課題克服のために、少ない紙面を割いて取り上げていますが、1969(昭和44)年に国会で成立し施行された「同和対策事業特別措置法」と共に大きく前進してきました。
しかしながら、この法律も2002年に33年間続いた事業を終えることになりますが、差別はいまだに現存しているということで、2016年新たに「部落差別解消推進法」が施行されることになりました。

さて、70年を迎える本町は1972年に「差別を許さない明るい町宣言」、2001年に「人権文化の誇れる町宣言」をしましたが、21世紀に入りインターネットの急速な普及に伴い、部落差別問題だけではなく、個人に対するひぼう中傷や名誉・プライバシー等の侵害という新しい人権問題に直面しています。また、ネットいじめや人を排斥する差別的言動、さらには偽情報・誤情報の流布・拡散、各種詐欺犯罪にも拡大しています。
国に対して安心できる情報空間の早期整備を求めるとともに、私たちも数ある情報の中から常に社会を検証しながら、真実とは何かを求めるための不断の努力をしなければなりません。
私たちの人生は一度限りではありますが、生まれてくる前からいのちはつながっており、人生を終えた後もいのちはつながり続けるのであります。それだけに、だれもが真剣にその生をつくさなければならないと思っています。しかしそれは私たちが人間として生きることの意義を問い直すことにより、はじめて自覚されてくるものでしょう。

私たちは合併以来70年、部落差別問題を通してあらゆる差別を見抜く力を養い、お互いの立場を尊重することの大切さを学んできました。それは人間として生まれてきたことの意味、人生の尊さやいのちの重さに気づくための学習であり、かけがえのない人生をともに歩んでいるという人生の喜びの発見でもありました。

これからもいっしょに さらなる人権文化の推進へ!
《新年を迎えての寄稿》

◆人権標語入賞作品(2024年度)
すべての人に尊厳を 違いを超えて 共に生きたい
市川中学校三年 西口 大智

ふわふわことば みんながぽかぽか えがおさく
川辺小学校三年 田口 紬

問合せ:生涯学習課 人権教育啓発係
【電話】26-0001

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