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自治体の皆さまへ

外国人の人権を考える 多文化のトビラ

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兵庫県新温泉町

今年は正月早々に大きな震災に見舞われました。新温泉町でも警報が発令され、不安を抱えたまま大急ぎで避難された方々も多かったと思います。ハピタンのボランティアは当日、日本語教室に参加している外国人住民の方々の安否確認を行ったり、避難の情報をLINEで届けました。後日、教室でお話をお聞きすると「どこに逃げれば良いのか、どうすれば良いのか分からなくてとても怖かった。」とのことでした。
災害時、避難に最も必要となってくるのは「情報」です。津波の心配はあるのか、どこに避難すれば良いのか、食料などはどこにもらいに行けば良いのか。これらの情報が全て日本語で行われていたことで外国人住民が被災地で取り残されてしまった、また、危険に晒されてしまったというデータが、過去の震災から既に明らかになっています。
外国人住民を取り残さないためにはどのような方法があるのでしょうか。現在、国や多くの自治体で用いられているのは「やさしい日本語」です。外国人住民にとって、難しい熟語や曖昧な表現を避けた日本語を使うと、情報が格段に伝わりやすくなります。例えば、「高台に避難してください」では意味が伝わりにくいですが「高いところに逃げてください」なら多くの方が理解できます。「やさしい日本語」は、外国人住民だけでなく、子どもなどにも伝わりやすいのも利点の一つです。
人口減少の中、新温泉町でも外国人住民が働き手として大きな役割を担ってくれています。彼らが私たちと同じように安全に過ごしやすい町になるよう、これからも考えていきます。
文 松岡千都さん

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