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新温泉町文化会館だより

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兵庫県新温泉町

■「新温泉町人権啓発指導員研修会」を開催しました。
5月25日(木)、新温泉町文化会館において人権啓発指導員研修会を開催しました。
本年度の学習テーマは「性の多様性を認め合う~だれもが自分らしく生きられる社会をめざして~」、啓発ビデオは「バースディ」を視聴しました。

▽啓発ビデオの内容
性的少数者については、依然として社会理解が進まず、偏見や差別、配慮に欠けた対応などで、自身の思いや悩みを打ち明けることが難しく、周囲の無理解に苦悩し、生きづらさを感じている状況など様々な問題があり、深刻な人権問題になっています。
一方、性的少数者であることを打ち明けられた家族や友人等は、既成概念による偏見や知識不足によって、理解しようと向き合う前に混乱や抵抗感にとらわれてしまうことが多くあります。
性の在り方は多様で一人ひとりの人権にかかわることであるため、性的少数者の存在や悩みに気づくことが大切です。
このビデオを性的少数者について理解するきっかけとし、その多様性を認め、お互いの人権を尊重することは、すべての人が自分らしく生きていける社会につながっていきます。そのような社会の実現を目指すことを目的としてこのドラマは制作されています。

■ビデオを視聴した後、鳥取市人権情報センター研究員の衣笠尚貴さんのお話を聞きました
LGBTとは、L=レズビアン(女性同性愛者)、G=ゲイ(男性同性愛者)、B=バイセクシュアル(両性愛者)、T=トランスジェンダー(性別越境者)の頭文字をとった性的マイノリティの総称のひとつである。
他にも、Xジェンダー=性自認が男性・女性どちらかと認識していない人、クエスチョニング(Q)=性自認もしくは性的指向がまだはっきりとしていない人、パンセクシュアル=すべてのセクシュアリティが恋愛や性愛の対象になる人、Aセクシュアル=恋愛や性愛の感情を抱かない人など多様な性のあり方がある。
『LGBTQの子ども・若者(12~34歳)調査2022』によると、LGBTQの中学生・高校生では、「この1年で、学校に行きたくないと感じた」と52.4%の人が答えている。また、LGBTQの中学生の22.1%、高校生の14.9%が「不登校の経験がある」と答えている。不登校生徒の全国平均は中学生で4.1%、高校生で1.4%であるから、全国平均と比較すると中学生で5.4倍、高校生で10.6倍になる計算である。
さらに、LGBTQの中学生・高校生で「親に相談できない人」は91.6%、「教職員に相談できない人」は93.6%であった。
調査の中でのLGBTQの人たちの生の声を聴いてほしい。
・「親にカミングアウトしていないので、自分の好きな服を着たいと言えず、着ることができない(12歳)」
・「LGBTQの芸能人のことを『なにあれキモイ』と親が言っているのを見て、同じセクシュアリティではないけれど、嫌だなあと思った(16歳)」
・「親に、『お前そっちじゃないよな』など探りを入れられる度に『そんなわけない』とうそをついて笑うことが辛かった(18歳)」
・「12年前に、母にセクシュアリティがばれたとき、『二度と女性とは付き合いません、男性と結婚し子どもを産みますと復唱しろ』と言われ拒否したら、『言うまで出さない』と飲まず食わずで、3日間部屋に監禁された。『恥ずかしい、なんで生まれてきたの、いっぺん死んできて』とも言われた(32歳)」
今、日本でもLGBT法案を審議している。その中で「不当な差別はあってならない」という言葉がある。逆に、「正当な差別」というものはどのような差別なのか。皆さんはどう考えるか。
性の多様性に係る問題は、当事者だけの問題ではない。私たち一人ひとりの問題と捉えることが重要である。すべての人にかかわる問題でもある。一般に、物事に対して無関心であることは、物事がよくない方向に流れていくことに加担していることと同じである。つまり、差別に対して無関心な人は、差別に加担していることと同じと捉えることができるのではないだろうか。

問合せ:新温泉町文化会館
【電話】82-3328

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