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野草散歩(159)

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兵庫県新温泉町

■イソスミレ(スミレ科)
スミレ科の多年草イソスミレ(磯菫)は、青森県から鳥取県の日本海側(北海道は太平洋側)の砂浜に自生する日本の固有種です。浜坂海岸で最初に見かけたのはジオパーク館建設当時でした。松林の西側で幾株か見られましたが、いつの間にか消えてしまいました。その後、南側の松林で小さな群落が出現しましたが、それも間もなく勢いが衰えていき、残念に思っていたところ、今度は東側の松の育苗地で確認されました。
スミレには有茎と無茎があり、イソスミレはタチツボスミレの変種で有茎種となります。花茎は花時15~20cm、葉の部分はそれより低いので、葉から抜き出て薄紫色の花をたくさん咲かせます。花の大きさは径2~2.2cmと大きく、葉は長さ幅ともに1~2.5cmで円形、根元の葉は厚めで光沢があり、葉の表面は内側に巻き、基部は心形で縁は波状の鋸歯となっています。花後は葉の先端が鋭頭、または短く尖ります。花の後ろ側につきでる距は白色。地下茎は木質化して太く砂地深くのびています。
当地はキャンプ場としても利用されており、テント設置も可能なため踏み荒らされるのか、なかなか元気に育ちません。周囲の空き地も駐車場やビーチバレーの会場などに利用されているので、浜の植物があまり育たない環境になっています。その上、最近は鹿も出没するのか、春は草に覆われる松林の林床が、夏季には一面砂地になってしまいます。そんな中で、自生地を転々と変えながらも必死に生き継ぐ早春の花イソスミレ。健気さが愛おしく、今年も元気に育ってほしいと願うばかりです。

文・写真 中澤博子さん

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