今年度、4回にわたって実施した「新温泉町多文化共生プロジェクト」も、先日無事に全プログラムを終了しました。振り返ると、どの回も地域の皆さんとの心温まる交流があり、素敵な時間となりました。
第1回目の久斗山地区では、みんなで力を合わせてカレーを作った後、夜空に舞うホタルを鑑賞しました。第2回目の赤崎地区では、藍染めの美しい色合いに感動しながら、自分だけの作品を仕上げる楽しさを共有しました。第3回目の諸寄地区では、秋の味覚・さつまいもを使った各国のスイーツ作りで笑顔が広がりました。そして、最後の久斗地区では、ちりめん細工の繊細な技に四苦八苦しながらも、温かいちゃんこ鍋と手作りの大福に舌鼓を打ちました。
久斗地区のイベントでは、地域の子育てサークル「いちごくらぶ」の皆さんとも交流する機会があり、赤ちゃんに囲まれた学習者さんたちは、自然と笑顔に包まれていました。日本語教室が始まった頃を思い出します。その頃は、遠い故郷に幼い子どもを残し、単身日本で頑張っているお母さんの学習者さんたちが多く、私も時々子どもを教室に連れて行くと、皆さんが抱っこしてくれたり、優しくあやしてくれたりしたことが懐かしい思い出です。赤ちゃんや子どもたちを見つけるとすぐに近寄り、ずっと抱っこしながら微笑む学習者の皆さんには、きっと遠い家族への想いが重なっているのでしょう。
こうして、今年度のプロジェクトは幕を閉じましたが、次年度にはどんな新しい挑戦が待っているのか、今からワクワクしています。これからも、地域の皆さんとともに、心がつながる温かい時間を作っていきたいと思います。どうぞお楽しみに!
文・写真 松岡千都さん
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