■鳥取県南部町農業委員会
当町を出発し、冠雪した大山を見ながら伯耆の国、鳥取県南部町役場に到着し、農業委員会担当者から「地域計画」策定の取り組みについて説明を受けました。
南部町農業委員会では、地域計画の策定にあたり、モデルとなる集落に出向き話し合いの場を設けることから始めています。典型的な山間地域の赤谷地区を選定して目標地図の素案を作り、意向確認の結果を確認したところ、10年後には想像以上に農地が遊休化することがわかりました。このことから地域、集落の連携の必要性が具体化し、さらには管理労力が軽減される活性化計画として「粗放的管理」が検討されたということでした。地域計画の進捗状況は、当町より特に進んでいるという印象はありませんでしたが、一生懸命取り組んでいると感じました。
また、農業委員会の女性委員が中心となって「ローゼル」というアオイ科の植物の栽培を試みているということでした。「ローゼル」は雑草の中でもよく育つため、遊休農地などを利用して栽培が可能であり、主な用途はハーブティーなどのお茶として利用するということでした。また、当地は美味しい柿の産地でもあり、道の駅で買った「富有柿」は大きさ、味とも素晴らしいものでした。
■赤江・オーガニックファーム(安来市)
安全でおいしい野菜を生産したいということで、赤江地区の平均年齢40代の6人がIターン、Uターンで立ち上げたもので、有機農業にこだわり百数十棟のハウスを建設しています。安来市の広い平野に建設されているハウスは見ごたえがあります。住居・農地・販路など当初はいろいろ苦労があったが、補助金の利用や、土地を求める際にも市民の協力性が良く、助けられたということでした。
現在では、担い手として活躍されるとともに、有機農法栽培の野菜も理解が深まり、価値が認められるようになったということです。栽培しているのは葉もの野菜で、1年を通して京阪神地区をメインに出荷しており、地元の学校給食にも取り入れられているということでした。視察を通して感じた印象は安定して成功している例と受け止めました。新規就農者が起業して成功するのは難しいが、良い物づくりに取り組めば成功への道はあることを学びました。
畜産・広報部長 橋本哲次
問合せ:農業委員会事務局(農林水産課内)
【電話】82-5626
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