■まだまだ成長過程
農業を始めた当初、分からないことが多く頼れる人も少ない中、ネットの情報や近くの農家から得た知識を参考にしながら、この地域や気候にあっているか試行錯誤しながら栽培を続けてきた。そのような時、同じ区内の若手農業者2人と出会い、農業経営のノウハウを学ぶなど、同世代の農業者と切磋琢磨することが刺激になっている。古川さんは「自分はまだまだ。春や夏にも出荷し、年間通じて栽培できるようになりたい。今後は売る力や経営力を強化したい」と自分の弱みを分析しながら、改善に取り組んでいる。
■農業をかっこいい仕事に
農業の喜びを伺うと「自分の野菜がおいしいと言われた時はうれしい」と古川さんは笑顔で答える。将来については「“しんどい、大変”というイメージがある農業を、子どもたちに“かっこいい、自分もやりたい”と思ってもらえる仕事にしたい」と古川さんは話す。また、移住当初は田舎付き合いに抵抗があったが、今では地域の皆さんに支えられていることから「朝来の良さを伝えていきたい。そして、農業を通じて地域を盛り上げたい」と話す古川さんからは、熱い思いが伝わってきた。
古川(ふるかわ) 陽平(ようへい)さん(元津区)
古川さんは神戸市出身。幼少期から朝来の祖父母から届く野菜を食べて育った。大学生で就職先を模索しているとき、祖母が他界し、親しんでいた祖父母の野菜が神戸に届かなくなる。当たり前だった野菜が食べられなくなるのはさみしいと感じたことから、たびたび朝来に足を運び、祖父を手伝いながら米づくりや岩津ねぎづくりを始めるようになる。祖父が他界した5年前からは朝来に住所を移し、本格的に農業を開始。現在は、岩津ねぎやサツマイモなどを栽培し、新たな農作物の開拓もめざしている。
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