■人がつながることで幸せがつながる
コロナ禍で活動を休止したが、「ママさんの力になれる方法がほかにもあるかも」と試行錯誤し、活動再開後はカレーから弁当を提供するスタイルに変更。今では、子育てママさんが集う場所としての役割以外にも、子どもたちや地域の高齢者世帯に食事を提供することで、地域に住む子どもたちや高齢者世帯の見守り活動の側面も担っている。さらには、食堂を手伝うボランティアの皆さんの輪も増えており、中には利用者だった中学生も手伝うようになるなど、さまざまなつながりを生んでいる。
■みんなの居場所になれば
ある時、慣れない地での子育てに励む一人の外国籍のママさんが食堂に―。「ママさんは、子育てや生活のことで相談できる相手がおらず、不安を抱えているように感じた」と話す十倉さん。結婚当初、同じ境遇を経験したことから、ママさんの声に耳を傾け、寄り添うように心がけると、表情が和らぎ「本当にありがとう」と笑顔を浮かべた。十倉さんはこのエピソードを教えてくれ、「できる限りママさんたちや子どもたちに寄り添いながらこの食堂がみんなの居場所になれば」と笑顔で話してくれた。
十倉 真実子(とくらまみこ)さん(旭町)
十倉さんは、結婚を機に朝来市に移住。子育てに励む中、市内に友達が少なく、悩み事を相談できる人がいなかった。いつか、子育てママさんが集える場所を作りたいと考えていた同時期に、義母が当時、民生児童委員で、地域の見守り活動したいと思っていたことから、自宅で、後の「たけだスマイル食堂」の前身である「カレー食堂」を義母と二人で平成30年7月にスタートさせた。「まずは続けていくことが大切」と話す十倉さんは、毎月1回食堂を開催している。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>