■人と思いがつながる場所に
保護猫カフェがオープンして1年が経ち、今では、子どもからお年寄りまで多くの地域の皆さんが集まる憩いの場になっている。また、もともとお客さんとして来ていた皆さんが「ネコのために、自分たちにできることをしたい」と、ボランティアスタッフとして足立さんと一緒にネコを支えている。つながりの輪が広がっていることを実感する足立さんは、「この保護猫カフェが、愛情と責任をもってネコを飼うことの大切さが、一人でも多くの人たちに伝わる場所になれば」と話す。
■多くの人に現状を知ってほしい
飼うことができずに捨てられたり、殺されてしまうネコが市内に多くいる現状で、「少しでも不幸なネコを減らしたい」と話す足立さん。保護猫カフェでネコを保護しながら、地域住民とともに地域猫活動を行っているが、野良猫の数は依然として増え続けている。「保護をしても、病気をもっていると里親がなかなか見つからない。せっかく生まれてきた命を、ちゃんと全うさせてあげたい」と涙ながらに語る足立さんは、ネコを適正に飼育する人が一人でも多く増えることを切に願っている。
足立 薫(あだちかおる)さん(城南台)
川西市で看護師の仕事をされていた足立さんは、地元朝来市にUターンし、訪問看護師として働きながら、野良猫(ネコ)や捨て猫(ネコ)の保護をしていた。保護したネコを里親に譲渡できる拠点を作りたいと竹田の実家を改装し、長年の夢だった「動物に関わる仕事がしたい」という思いを叶えるため、2023年4月15日に保護猫(ネコ)カフェ「pili(ピリ) ohana(オハナ)」を開業。保護猫カフェを営みながら、個人で保護猫活動をしている市民が集まって結成された「鍋ねこの会」の代表を務め、殺処分されてしまうネコを減らすための活動も行っている。
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