●第12話 言葉を通じて
フランスでは、哲学がすべての高校で教えられています。高校時代に特に印象に残っている授業の一つは、言語に関するものでした。授業では、フランス人哲学者ベルクソンの思想と、言語の限界について学びました。私たちは言葉を通して思考を形作り、流動的な感情さえも一般的な言葉で理解してしまいます。ベルクソンは、心を概念や言語の枠に収めることはできないと考え、言語の限界を指摘しています。
私もその限界を認めつつ、新しい言葉を学ぶことで視野を広げることが魅力的だと感じています。複雑な語彙を学ぶことで、自分の思考や感情をより深く言葉に表すことができるようになります。一方で、外国語を学ぶことは、ゼロからのやり直しのような感覚があります。言葉が存在することは知っていても、どう対象言語で表現するかがわからないときには、思考を非常に単純な言葉に縮めてしまいます。完全に自分を表現できるようになるまでは、まだ道のりは長いでしょう…。
人権推進課国際交流員:ボコブザ・ローラ
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