■緩和ケア外来について
総合診療医長 兼麻酔科医長 佐野 梨沙(さの りさ)
緩和ケアというと、「いよいよ」「麻薬を使う」のイメージが強く、なかなか敬遠されている患者さんが多いと思います。「いよいよ」というのは終末期ケアといわれており、積極的な治療が難しい患者さんの残りの人生を、麻薬だけでなく様々な薬を上手に使って、苦痛を和らげその人らしく過ごせるようお手伝いすることで、これが緩和ケアのイメージになっていると思われます。
しかし、これは緩和ケアの一部にすぎません。緩和ケアとは、病気(主に癌が多いですが)による症状などの苦痛を緩和し、患者さん・ご家族の負担を減らして精神的サポートを行うことが目的です。
緩和ケア外来では、癌と診断された直後の方、化学療法や手術を受けられている方、またご家族が癌と診断された方を対象としています。疼痛、呼吸困難、しびれや不眠、嘔気などの身体的苦痛の緩和だけでなく、今後どう過ごせばいいかわからない、家族といよいよの際について話し合いたいが、うまくできない等の相談もお受けしています。
また、癌のみならず、心不全、肺気腫(COPD)、筋委縮性側索硬化症(ALS)の方の呼吸困難などの症状にも対応しています。患者さん本人が来院を希望されない場合でも、ご家族が看ていてつらそうな症状があり、話を聞きたいと思われる時は、ご家族だけの受診も可能です。当院では麻酔科枠でこのような緩和ケア外来を行っています。お困りごとがある場合は、お気軽にご相談ください。
【電話】32-1331
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