昨年現役を引退した、出石町出身の元プロ野球選手・能見篤史(のうみあつし)さんが10月21日、母校の小坂小学校の150周年記念事業で帰郷することに合わせ「コウノトリ賞」の授与式を行いました。コウノトリ賞は、各分野で活躍した豊岡市ゆかりの人を顕彰するものです。記念の盾を受け取った能見さんは「この賞に恥じないような行動を取るとともに、地域に貢献できるような何かをしていきたいと改めて思いました」と受賞の感想を述べていました。
なお、同小学校で行われた記念講演の要旨は次のとおりです。
◆野球練習の準備も楽しかった小学生時代
小坂プラッキーズに入部できるのは小学3年生からだったのですが、1年生の頃からボール拾いに参加し、練習の「邪魔」をしに行っていました。3年生になって入部できると、家が近所だったこともあって、練習の1時間半前にはグラウンドに行きました。倉庫から何往復もして、ベース、バット、ヘルメットなど道具を全部一人で準備するのが、すごく楽しかったです。
また、小学生当時は、家でじっとしていることはほとんどありませんでした。よく円山川に行って、川に向かって一生懸命石を投げていました。どれだけ遠くに投げられるか、投げやすい石を探して、何度も投げて、川越えができるようになりました。体の使い方や投げ方は、そのときに自然と身に付き、それがボールに変わったという印象です。
◆プラス思考で考えた中学時代
中学校に進学し、他の学校の選手と一緒になって、僕よりもレベルが高いと感じました。しかし「かなわないな」とあきらめるのではなく「負けないようにどうしたらいいか」と考えるようになりました。考え方一つで方向性は変わるので、その時プラスの方向にとらえられてよかったです。
◆運を引き寄せるのは自分
プロ野球選手になったのは、得意分野が野球しかなかったから。勉強ができるわけでもなく、他に進むものがなかった。
運もあると思います。でも、運というのはがんばった人にしかついて来ない。間違いなく、引き寄せるのは自分自身。がんばれば運を引き寄せることはできます。私は自分が納得のいくまでやり、悔いなく終われるようにという気持ちをずっと持ってやってきました。ただ、続けることはとても難しいです。
◆苦手なことに向き合う
小学生の皆さんへのアドバイスとしては、小さなことでいいので、例えば、今日一つ家の手伝いをする。嫌なことだけど続けて行えば1年365日で365個成長できます。嫌なことでも逃げないでいると、自然に周りから助けが入ります。苦手なことに向き合ってみてください。
◆能見篤史さんプロフィール
出石町出身。小坂小学校、出石中学校卒業後、鳥取城北高校に進学。大阪ガス(株)で社会人野球を経て、2004年阪神タイガースに入団。13年には第3回WBCに日本代表として出場。20年にオリックス・バファローズへ移籍。22年現役を引退。現在、野球評論家としてテレビなどで活躍中
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