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今月のイチオシ(1)ー豊岡市生物多様性地域戦略(短期戦略III)を策定ー

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兵庫県豊岡市

■穏やかにいのちと地域が響きあう豊岡を目指して
本市では、生物多様性の保全を推進するため、2013年に27年度の目標像の実現に向けた地域戦略を策定しました。その後、5年ごとに短期戦略を定めて段階的に進め、今回、戦略策定から10年経過したため、23年から5年間の短期戦略を策定しました。今後も市民や事業者、専門家などの協力を得て、取り組みを進めていきます。

◆私たちの命と暮らしを支える「生物多様性」
地球上にはさまざまな種類の生きものが暮らしています。それらの生きものが、お互いにつながりながら私たちの命と暮らしが成り立っています。その状態を「生物多様性」といいます。私たちが暮らしていくために必要な空気や水、建物や衣服、薬などは生物多様性による恵みで、それらがなければ私たちは暮らしていけません。また、心が落ち着く田園風景や山や海での自然体験などの文化的サービスも自然の恵みの一つです。

◆改定のポイント
第一次産業の価値を評価:第一次産業従事者の生業の結果が、生物多様性の保全に大きく貢献していることを評価する。
具体的な内容表記:理念的な内容となっている項目があったため、取組内容が具体的に分かりやすい内容表記にする。
数値目標の設定:数値目標を設定し、年度ごとの現状数値を把握する。

◆具体的な取組み
◇作戦1「まずは知る」作戦➡地域のみんなが、自然の豊かさやもろさを分かるようにする
主な取組内容:
・生きもの観察会の実施
・「豊岡時候のあいさつ集」の作成
・「生きもの共生の日」の浸透
・「生きもの博士」登録制度の開設
・「生き物地図」の作成
・アプリを活用して生きもの調査の見える化など
短期の数値目標:
・生物多様性の意味を理解している人
29.4%(2021年度)➡50%(2027年度)
・生きもの博士の登録人数
0人(2021年度)➡25人(2027年度)
豊岡時候のあいさつ集:全国共通の時候ではなく、豊岡ならではの季節の言葉を集める。
生きもの共生の日:2007年5月20日、日本の野外で43年ぶりにコウノトリが孵化(ふか)したことを記念して、2008年に制定。
生きもの博士:動物や植物に詳しい人を発掘・登録し、地域の環境保全活動などで中心的な役割を担うことを期待する。

◇作戦2「行動に移す」作戦➡多様な生きものが住みやすい環境を増やす
主な取組内容:
・市民向けの学習会の実施
・企業・団体への周知活動
・「小さな自然再生」の取組み推進
・「自然共生サイト」の認定
・外来生物の駆除対策の推進
・「豊岡市景観計画」の推進など
短期の数値目標:
・外来駆除対策の実施件数
3件(2021年度)➡15件(2027年度)
・小さな自然再生活動支援の活用件数
7件(2021年度)➡15件(2027年度)
小さな自然再生(本紙16ページに関連記事掲載):公共工事のような大規模な自然再生事業でなく地域住民主体の身近な自然再生活動
(自然の生態系を再現し生きものや植物を育てるビオトープづくり、生きもの調査等)
自然共生サイト:環境省が民間の取組み等によって生物多様性の保全が図られている区域を認定する仕組み

◇作戦3「基盤を守る」作戦➡地域を支える第一次産業を育てる
主な取組内容:
・「豊岡型環境創造型農業」の推進
・冬期湛水・マルチトープ(中干期における生きものの避難場所)等の整備
・生産者と消費者の交流会の実施
・学校給食への地元産品の利用
・自伐型林業の推進
・豊岡農業スクールなどによる就農支援など
短期の数値目標:
・学校給食での豊岡産無農薬米導入比率
0%(2021年度)➡100%(2027年度)
・豊岡農業スクール延べ入学者数
25人(2021年度)➡53人(2027年度)
豊岡型環境創造型農業:環境への負荷を軽減するため、化学肥料や農薬の使用を一般栽培の50%以上低減する農業
豊岡農業スクール:就農意欲の高い人を対象に、先進的な農業経営者のもとで技術や経営力などを習得するためのプログラム

◇作戦4「つながる・つなげる」作戦➡人と人、地域と人とのつながりを深める
主な取組内容:
・自然体験プログラムの開発
・「出張!田んぼの学校」等の支援制度活用促進
・生きもの・自然に触れる親子イベントの企画
・ふるさと教育・コウノトリKIDSクラブの実施など
短期の数値目標:
・コウノトリ文化館来館者数
55,393人(2021年度)➡25万人(2027年度)
・コウノトリ基金寄付金
670万円(2021年度)➡1,500万円(2027年度)
出張!田んぼの学校(本紙29ページに関連記事掲載):身近な水田や水路、里山などで行う生きものに関する観察会や学習会に生きものに詳しいスタッフを派遣する制度
コウノトリKIDSクラブ(本紙16ページに関連記事掲載):小学4~6年生を対象に、生きもの調査などの体験活動を通じてコウノトリ野生復帰や豊岡の自然について発信できる子どもを育てるクラブ活動

◇作戦5「効果を高める」作戦➡作戦を実行しやすい仕組みを作る
主な取組内容:
・生物多様性短期戦略推進委員会(仮称)の設置
・地域の保全活動と外部人材をつなぐ仕組みの確立など
短期の数値目標:
・戦略推進委員会の開催回数
0回(2021年度)➡2回(2027年度)

問合せ:コウノトリ共生課
【電話】21—9017

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