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自治体の皆さまへ

今月のイチオシ(1)ー鉄道のあり方を自分ごととして考えようー

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兵庫県豊岡市

■JR山陰本線 城崎温泉-鳥取間を維持していくために
昨年4月、JR西日本が経営状況の厳しいローカル線の情報を開示し、本市では山陰本線の城崎温泉-竹野間がその対象となっています。通勤や通学、通院、買い物などで利用している市民の皆さんにとって、本路線は欠かせない存在です。今後も路線を維持していくためには、地域住民一人一人がこの問題を自分ごととして考え、利用促進に向けた話し合いや行動を起こしていく必要があります。

◆西日本が経営の厳しい路線を情報開示
昨年4月、JR西日本は、1日当たりの輸送密度(平均通過人員)が2千人未満だった路線を開示しました。県内では4路線6区間あり、そのうち市内を通過する区間は山陰本線の城崎温泉-浜坂間でした。
城崎温泉-浜坂間の2017年から19年までの平均赤字額は11億8千万円、収支率は11・8%でした。また、同区間の平均通過人員(区間1日1km当たりの人数)は、1987年度4966人でしたが、2019年度693人となり、約30年間で86%減少しています。(本紙3ページ上表参照)
JR西日本は、各路線の実態や課題を公表することで、沿線自治体と今後の路線のあり方について具体的な議論を進めていきたい意向を示しています。

◆県は検討協議会を立ち上げ取組みの方向性を決定
JR西日本の情報開示を受けて、県では、市町、観光・交通事業者、有識者からなる「JRローカル線維持・利用促進検討協議会」を昨年6月に立ち上げるとともに、JR西日本が開示した赤字路線ごとに4つのワーキングチームを設置しました。検討が重ねられ、今年2月、利用促進策の方向性が取りまとめられました。

◇県が設置した協議会がとりまとめた山陰本線の利用促進策の方向性
(1)公共交通の利便性向上等、観光地へのアクセス改善に向けた取組の推進
(2)兵庫DCや大阪・関西万博を契機とした観光利用者数の増加に向けた取組の推進
(3)駅周辺整備による利用者数の増加に向けた取組の推進
(4)外国人や移住者、学生など日常利用における利便性向上策の検討及び実施
(5)地域の発展にも繋がる地域公共交通体系の構築

◆竹野地域の住民などが利用促進策を検討中
本市では、山陰本線の維持存続に向けて、利用促進に関するアイデア出しを行うワークショップを5月に立ち上げました。参加者は、竹野地域の区長会、地域コミュニティ組織、観光協会など関係団体からの希望者、芸術文化観光専門職大学の学生など約30人です。10月まで毎月1回程度の頻度で集まり、県がまとめた利用促進策の方向性を基に検討し、今後、実現可能な施策から取り組んでいきます。

◆市民の皆さん、通勤・通学に鉄道・バス利用を
地域の公共交通機関を守る具体的な取組みとして、本市では09年度から「e通勤プロジェクト」に取り組んでいます。市民の皆さんに通勤手段をマイカーから鉄道やバスなどの公共交通機関に転換してもらい、二酸化炭素排出量の削減にもつなげようというものです。
もちろんマイカーは便利です。しかし、みんなが日常生活で今より少しでも公共交通機関を利用し「乗って守ろう」という行動を起こさなければ、今後維持していくことは非常に困難です。「将来の自分を、今の自分が支えている」という気持ちが大切ではないでしょうか。本プロジェクトに参加できない方は、月2回実施している「豊岡ノーマイカーデー」への参加や旅行・レジャーなどで、積極的に鉄道やバスを利用しましょう。

◇利用者が少ない県内路線の営業損益など

◆ワークショップ参加者の声
◇イベントを実施して鉄道の利用促進と地域の活性化を
竹野浜自治会 会長 與田政則(よだまさのり)さん
若い人たちが斬新な考え方を話してくれています。私たちが思い付かないアイデアがどんどん出てくることは、いいことだなと思っています。
昔、「ふるさと列車」がありました。観光客の皆さんに鉄道を使って竹野で一晩泊まってもらうイベントです。私も参加しましたが、観光客の皆さんと交流できて、面白かった思い出があります。またこんなイベントができたらいいなと思っています。また、竹野駅でイベントをすれば、地域の皆さんも観光客も鉄道を利用して来てもらえ、地域も活性化すると思います。

◇自分でできることを行動に移していきたい
一般社団法人たけの観光協会 仲才和佳奈(なかさいわかな)さん
グループで「小学生の乗車体験」のアイデアが出ました。都会では小学1、2年生ぐらいで乗車体験を授業のように実施されていると聞いて、衝撃を受けました。私は、小さい頃から車に乗ることに慣れてしまっていて、逆に電車で出掛けられることがうれしかった記憶がありますので、すごくいいなと思いました。
これまでは、車の方が便利で鉄道利用は他人事であり、利活用について考えたことがありませんでした。これをきっかけに自分ができることを、行動に移していけるようになればいいなと考えています。

◇鉄道の利用促進を達成し地域が元気になってほしい
芸術文化観光専門職大学 西村恵(にしむらめぐみ)さん
私は、小さい頃から沿線に宝塚劇場などが点在する阪急電車を使って登下校をしていましたので、交通や芸術を活用して、観光を広げていくことにすごく関心がありました。また、海がきれいな竹野地域に興味があり、ワークショップに参加させていただくことになりました。
地域の皆さんと話し合いをすることは、すごく刺激になり、鉄道の利用促進は、ぜひ達成したいです。そして、地域がこの取組みによって元気になってくれればいいなと思います。

◆合言葉は「乗って守ろう」みんなで公共交通を使用しましょう!
◇e通勤プロジェクト
地域の公共交通を守るため、鉄道、バスなどの公共交通機関を使って通勤しましょう
-将来の自分を、今の自分が支えている-

◇第2水曜第4金曜は豊岡ノーマイカーデー
月2回のノーマイカーデーは、電車、バス、徒歩、自転車で外出しましょう

問合せ:都市整備課
【電話】23—1712

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