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クローズアップ豊岡(5)ー「ほんとにあった怖い(詐欺の)話」特別企画ー

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兵庫県豊岡市

■ひうらさんがオリザさんと振り込め詐欺を考えてみたの巻
9月に開催される「豊岡演劇祭2023」。その中のプログラムの一つにオレオレ詐欺を題材にした作品「馬留徳三郎(うまどめとくさぶろう)の一日」があります。漫画家のひうらさとるさんが本作品の演出を担当した平田オリザさんと対談し、振り込め詐欺対策のヒントなどについて話し合いました。

ひうら:まず「馬留徳三郎の一日」についてお教えください。

◇つい話を聞いてしまったということも!?
オリザ:この作品は、僕が書いたものではなく、青年団の演出部の髙山さなえさんという劇作家が書いた作品です。
振り込め詐欺の話ではあるんですが、単純に騙(だま)す側、騙される側というのではなく、話が進むにつれて、どっちが騙されていくのかわからなくなっていく。
もう一つは、この人達はもしかしたら「騙されたいのではないか?」という疑問も湧いてくる。それが地方独特の雰囲気と相まって、取り残された人たちの悲哀とたくましさが表現されているのが、面白いところだと思いました。
ひうら:振り込め詐欺、オレオレ詐欺にはそういう側面もありますよね。電話がかかってくるのがうれしくて、つい話を聞いてしまったということもあるようです。

◇時間を割いてくれて親切だと錯覚してしまう
オリザ:例えば、銀行員が高齢者の方に銀行預金をお願いしにいくとする。ちょっと世間話はするとしても、今のこの低金利時代には、銀行の儲けもそこまで大きくないので、一人のお客に割ける時間は限られていますよね。
ところが、詐欺の場合は、利率で儲けるのではなく、手にしたお金を丸取りすることができる。そうすると当然、サービスに割ける時間は圧倒的に長くできる。手当たり次第に多くの人に声を掛けていき、その中でひっかかってきた人がいれば、そこに全ての時間を注ぐ。その対象になった人は、つい「銀行員や保険の人よりも、この人の方がいっぱい時間を割いてくれて親切だ」と錯覚してしまうんです。
ひうら:詐欺だとうすうす気付いていても情が移ってしまっている場合もあるようです。また、疑問に思っても恥ずかしくて相談できないこともあるとか。

◇社会的孤立が犯罪の温床 嫌なことは断ることが大切
オリザ:社会的孤立というのが、やはりこういう犯罪の温床になっている部分もあるかと思います。家族や会社だけではなく、コーラスグループやバレーボールサークルなど、適度な社会的ネットワークがあり、いろいろ相談できる環境を複数持つというのは大切だと思います。
後は、コミュニケーション能力。〝嫌といえる〞〝嫌なことは断る〞ということも大切です。
ひうら:この作品はどんな方に見ていただきたいですか?
オリザ:できれば、親子三代とかで来ていただいて、観劇後に話し合ってほしいですね。「あれはどっちが騙してたんだろう?」とか。「ああ言えばよかったのにね」とか。そういう機会をもって、詐欺について、いろいろなことが話し合える環境を作っておくのは、有効な対策だと思います。

◆公演情報
青年団プロデュース公演『馬留徳三郎の一日』
作:髙山さなえ
演出:平田オリザ
日時・場所:
・9月17日(日)午後1時・香住区中央公民館
・9月24日(日)午後1時・やぶ市民交流広場
詳細はウェブサイトで
【HP】https://toyooka-theaterfestival.jp/program/

問合せ:生活環境課
【電話】23–5304

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