■第20回 長く使うのはかっこいい?悪い?
地球温暖化を防止するため、身近な環境問題と家庭でできるエコ活動を紹介します。
季節も変わり、新しい年度、入学や進学の時期に合わせて新しい衣服や物を持ちたくなるものです。
昨年、使い続けて丸くて小さくなった消しゴムやキャップをつけた短い鉛筆を小学生に見てもらい「最後まで使い切るのは、かっこいいか?かっこ悪いか?」という質問をしました。反応は後者でした。物にあふれる社会やごみのことを伝えた後でしたが、目や耳から情報が入るだけで、人の心や行動の変化につなげるのは難しいと実感しました。
国土交通省の資料によると、日本の住宅の平均利用年数は30年ですが、アメリカは55年、イギリスは77年で、比較すると大きな差があることが分かります。新築住宅が好きな日本人の多くは、間取りやデザインの選びやすさとともに「新しくて気持ちがいい」という理由で支持されています。
そんな「新品」を好む日本でも、今や世界に進出するフリーマーケットのアプリが作られ、商品を買い取るリユースショップも増え、リフォーム物件も出回り始めました。「中古」に対して「他人が使ったもの」とネガティブなイメージを持つ文化が、若者を中心になくなってきたように感じ、うれしく思います。
丸くて小さくなった消しゴムや、キャップをつけた短い鉛筆、穴の空いたところをパッチワークで直した衣服、また、それを使い続ける人、直してくれる人を「かっこいい」「素敵」と言えて、応援できる社会になるといいですね。
(NPO法人暮らしのエコをすすめる但馬の会)
問合せ:コウノトリ共生課脱炭素推進室
【電話】21-9136
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