■2023「植村直己冒険賞」授賞式・記念講演会を開催
6月1日、日高文化体育館で28回目となる2023「植村直己冒険賞」授賞式・記念講演会を開催しました。
「イラクの巨大湿地帯(アフワール)探検」を成し遂げた、山田高司さん、高野秀行さんと「ヒマラヤ・アンナプルナ山群の大渓谷『セティ・ゴルジュ』探検」を成し遂げた、田中彰さん、大西良治さんを招き、メダルや盾、副賞を贈呈しました。
今回、2組4人が同時受賞となるのは冒険賞史上初めてです。授賞式に続いて行われた記念講演会と、受賞者と選考委員の関野吉晴(せきのよしはる)さんによるトークセッションでは、冒険のこと、夢や目標に向かってやり続ける心の持ち方・考え方などを、会場に集まった約600人の来場者へ語ってもらいました。動画を交えながら当時の様子を語り、来場者の背中を押すような言葉を交えた話に会場全体が引き込まれていました。
◆ヒマラヤ・アンナプルナ山群の大渓谷「セティ・ゴルジュ」探検
◇田中彰(たなかあきら)さん
植村さんのことは大学探検部に入った時に詳しく知りました。
僕が探検部に入るきっかけになったのは、実は選考委員の関野吉晴さんのテレビ番組を見たから。関野さん、そして植村さんと一緒にこの会場にいるということが本当に嬉しいです。
◇大西良治(おおにしりょうじ)さん
植村さんが成し遂げられたことは刺激的で、私にとってすごく印象的で偉大な冒険家として影響を受けてきました。
植村さんの名前を冠する賞を受賞できてとても嬉しく思います。
◆イラクの巨大湿地帯(アフワール)探検
◇山田高司(やまだたかし)さん
まさかこのような賞をもらえるなんて思っていなかったです。
これまで賞には全く縁がなかったので、非常に記念すべき日となりました。
◇高野秀行(たかのひでゆき)さん
自分が植村さんの名前の賞をいただけるのは晴天の霹靂(へきれき)です。
私は謎や未知というものが好きで、とにかく謎を解き明かしたい、知らないものを知りたいという気持ちでやってきました。
それが認められたことはとても嬉しいです。
◆受賞者からのメッセージ
◇少しでも動くこと
田中彰さん
自分の中で夢や希望があると思いますが、漠然と思っているだけでは事は起こりません。
少しでも動くこと。ゼロは足してもゼロにしかならないけど0.1でも1でも足していけば確実に積み重なっていきます。それが大きな違いになっていきます。
僕も同じようなことをずっとやってきた積み重ねの経験が実感としてあります。長く続けて自分が動いていると、周りがそれに対して反応してきてくれます。
それが相乗効果になっていい方向に向かっていくことが多いかなと思います。そのことをぜひ覚えておいていただきたいです。
◇自分の枠を作らない
大西良治さん
僕は、不可能だと思われていることをやってみたらできたというパターンがすごく多いんです。
それは、不可能だと思われていることをダメだと決めつけずに「できるかもしれない」と、挑戦するのを諦めなかった結果、いろんなことができてきたんだと思います。
それが繰り返されているうちに、最初から可能性を限らないというスタイルになって、それがエスカレートして今に至っています。
自分の枠を作らないってことは夢を実現する上ですごく重要なことだと思っています。
このことを若い人たちに伝えたいです。
◇夢・積み上げ・そして臆病さ
山田高司さん
皆さんにお伝えしたいことが3つあります。
まず夢を持ってください。それも大きな夢をたくさん持ってください。
夢を持ったら、その夢をかなえるためにできることを毎日積み上げてください。
そして、臆病でいてください。臆病とは慎重になるという意味です。全然大胆である必要はありません。失敗したら、またそこから繰り返し努力してください。どんどん経験、知識、いろんなものができていきます。
この3つがあれば、皆さんも40年後に植村直己冒険賞が受賞できると思います。
◇まずやってみる
高野秀行さん
僕も他の受賞者のように、人が絶対に思いつかないとか、無理だということをやりたいです。
何より人を驚かせたいという思いがあります。
それは、視点を変えるとできることもあるし、実際やってみたら意外にできてしまう。
できるかできないかは、取りかかってみないと分からないことが多いです。なので、まず動いてやってみてください。
考えているだけで動かなければ何にも進まないからです。
また、長いことやっていると、いろんな情報や知識、技術や人脈などが出てきて、これまでできなかったことができるようになります。
問合せ:日高振興局地域振興課
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