5月31日、令和6年第2回豊岡市議会定例会が開会しました。
開会にあたり市長が総括説明を行い、当面する市政の諸課題および提出議案などについて説明しました。その中から主な内容をお知らせします。
なお、市長総括説明の全文については、市ホームページをご覧ください(本紙の二次元コードを読み取りご確認ください)。
■安全に安心して暮らせるまち
◇津波への対応
市民の皆さんの津波避難行動と市の津波避難対策に係る課題を明らかにするため、本年2月に港地区、城崎地域および竹野町竹野地区の3034世帯に、市民津波避難アンケートを実施しました。現在、結果の分析などを行っています。
また、津波避難対策として、さまざまな意見を踏まえ、1点目として、津波からの避難を促すため、津波警報の発表後、天候や時刻などにかかわらず、直ちに避難指示の発令を行うこととしました。現在、市民の皆さんへ避難指示を知らせる手段を検討しています。
2点目として、津波からの避難場所については、多くが屋外の高台を指定していることから、最短10分で到達する津波から命を守る避難場所の意味を、地域の皆さんと再確認するとともに、屋外避難の必要性と長時間避難へのあり方を共に考えていきます。
3点目として、屋内避難所の開錠については、従来の地震感知機能に加え、ダイヤル番号式の鍵保管箱の設置や、地域の区長などの皆さんの協力を得る方向で調整しています。
引き続き、アンケートの結果も踏まえながら、自助、共助、公助のそれぞれで必要な津波などへの対応について検討していきます。
◇豊岡市地域包括支援センターの運営
本市が市社会福祉協議会に委託している市地域包括支援センター業務のうち、港地区を除く豊岡圏域については、深刻な人材不足のため現状を維持することが困難であるとの理由により、社協側から2025年度以降、受託できない旨の申し出がありました。
本市としては、社協と業務継続に向けた協議を重ねてきましたが、社協側の翻意は得られていません。今後の運営方法について、早急に対応策を取りまとめたいと考えています。
■持続可能な「力」を高めるまち
◇コウノトリ豊岡産業用地の分譲公募開始
当用地は、兵庫県が整備する県道但馬空港線の沿線に整備を進めています。16年度に事業着手以降、関連する用地の購入、造成工事、上下水道工事などを行ってきました。24年度から25年度にかけて未整備区間の水道管布設工事および水道減圧施設整備を行い、これらをもって整備事業が完了することとなります。
24年秋に予定されている北近畿豊岡自動車道豊岡出石インターチェンジの供用開始に合わせて用地の売買契約が締結できるよう、5月31日から分譲公募を開始します。
◇公共交通のあり方
竹野地域では、現在、路線バス、市営バス「イナカー」および実証事業として運行している「予約型乗合タクシー」の3つの交通手段により、地域の移動需要を支えています。
路線バスは、平日1便当たりの平均利用者数が1.69人、市営バス「イナカー」は、直近5期連続で1便当たりの利用者数が1人に満たない状況です。
「予約型乗合タクシー」は、運行業務を委託する事業者の確保、サービス水準と公費負担のバランスの観点からも持続性に課題があります。これらのことから、竹野地域全体として現状の交通ネットワークを維持し続けるのは困難であると考えています。
本市としては、地域の将来を見据え、竹野地域に合った仕組みを皆さんと対話を重ねながら創り上げていきたいと考えています。
日高地域では、通所系福祉事業者の送迎車両を活用した利用者の自宅と目的地間の送迎が、高齢者の新たな公共交通の手段となり得るかを検証するため、21年9月から福祉モビリティ実証事業を行ってきました。本年3月末で終了し、その結果がまとまりました。
利用希望者に対し、実際に輸送が実現したマッチング率は、44.6%にとどまりました。タクシー事業者との協業や専用車両の導入などを行ったものの、移動需要に応えられる供給体制の確立に課題が残りました。
市民の皆さんの移動を支える公共交通の仕組みのあり方は、特定の地域のみならず全市域共通の課題であると認識しており、市民の皆さんと議論を深めていきたいと考えています。
◇地域おこし協力隊
本市では14年度から地域おこし協力隊制度を導入しています。5月1日に、採用した隊員で累計100人に到達しました。同日現在で29人の隊員が地域活性化などの活動を行っています。
任期を終えた71人の隊員のうち、47人が起業などにより市内に定住しています。全国平均の52.0%に対して66.2%と高い定住率となっています。
今後も多様な人材を受け入れ、より一層の定着率向上を図るため、活動に関する相談対応や定着に向けた起業の支援など、隊員へのサポートなどに取り組んでいきます。
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