No.3[大避神社(おおさけじんじゃ)の奉納物(ほうのうぶつ)]
坂越湾を眼下に見る山麓に鎮座(ちんざ)し、秦河勝(はたのかわかつ)が生島(いきしま)に漂着した縁起から秦河勝を主祭神として祀(まつ)っています。神社の創建時期は明らかではありませんが、平安時代末期から鎌倉時代前期頃には、播磨国内の主要な24社に数えられるほど有力な神社となっていました。
西廻(にしまわ)り航路や塩廻船(しおかいせん)による海運によって坂越が大きく繁栄した江戸時代には、神社の本殿(ほんでん)・拝殿(はいでん)・神門(しんもん)等が再建されるなど、現在の境内(けいだい)の姿に整えられていったようです。
坂越をはじめとする廻船業者からの崇敬を集め、航海安全を願って数多くの絵馬(えま)、石灯籠(いしとうろう)などの石造物(せきぞうぶつ)が奉納されていますが、これらの紀年銘(きねんめい)を見ると、坂越の廻船が九州・西国・北国に進出して活躍した18世紀後半頃のものが多く、坂越の海運業が隆盛した時代をよく表しています。
このほか、境内には海から引き揚げられた廻船の鉄製四爪碇(よつめいかり)や、灯籠の火袋(ひぶくろ)に転用された廻船の帆柱(ほばしら)部材、坂越の船祭の祭礼用和船(楽船)の実物などがあり、廻船業ゆかりの文物を見ることができます。
問合せ:教育委員会文化財課
【電話】43・6962【FAX】43・6895
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