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市長ふれあい広場

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兵庫県養父市

夏休みが始まった7月21日、多くの子どもや大人が見守る中、梅雨明けの白い雲が浮かぶ青い空を目指して3羽のコウノトリが翔けのぼりました。この3羽は、4月15日に伊佐小学校の山手にある伊佐巣塔で孵化したコウノトリ(以下、「鸛(コウノトリ)」)たちです。雛たちは親鳥の愛を満身に受けスクスクと育っていましたが、「好事魔多し」の例えのとおりでしょうか、5月14日、母鳥は下小田踏切付近で列車に衝突して死んでしまいました。空腹の子どもたちへと餌探しに夢中になっていたのかもしれません。その後、父鳥は独りで餌を運んで懸命に育てていましたが、エリアに侵入した別の鸛が常に巣塔の雛を覗っている状態でした。市では侵入した鸛による雛への攻撃を未然に防ぐとともに、安定した餌の提供により雛の健全な成長を図るため、豊岡のコウノトリ郷公園と相談し、5月22日、郷公園職員が3羽の雛を救護して、郷公園に移管しました。郷公園での親切な保護飼育の成果もあり、親鳥と同じくらい立派に育ち、生まれ故郷の伊佐の地で大空に翔び立ちました。3羽の鸛は、故郷の大地と空、水と空気と香りを確かめるように、ゆっくりと交錯しながら舞い上がりました。これからは、3羽の兄弟は仲良く、幸せに暮らすことになるでしょう。幼子を残し死んだ母鳥は、人間の優しさに感謝しながら天国で微笑んでいるでしょうし、父鳥は木陰から子どもたちを絶えず見守っているでしょう。人の素晴らしさを感じた、感動の一日でした。
酷暑が続いています、お身体にご自愛ください。

市長 広瀬 栄

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