第212回臨時国会冒頭の岸田首相の所信表明演説で「地域交通の担い手不足や、移動手段の不足といった、深刻な社会問題に対応しつつ、ライドシェアの課題に取り組んでまいります。」との発言がありました。これを受けるかのように国全体でライドシェアへの関心が高まっています。
ライドシェアとは、ライド(乗る)をシェア(共有)することを意味し、個人所有の車を有償で人の運送に使うことを意味します。
現在、養父市がNPO法人養父市マイカー運送ネットワークと共に国家戦略特区の規制緩和の特例を活用し、大屋地域、関宮地域で取り組んでいる「自家用有償観光旅客等運送事業・やぶくる」がこれに当たります。利用者から料金をいただき自家用車をタクシーの代用として活用する取り組みは、全国で養父市に限って行うことが認められています。高齢化と人口減少が進む中、路線バスやタクシー、鉄道などの公共交通を維持することが難しくなってきています。しかし、子どもや高齢者、通院の必要な人など自ら車を運転して移動することができない人々にとって、通学や通院、食料等生活必需品の買い物のための移動手段は必要です。移動は人々の生活を維持し、命をつなぐための必須要件であり、人権そのものです。また、創造的過疎により持続を図ろうとする地域の共通した社会的課題であり、その解決は地方創生の成否に関わります。解決には従来の思考を覆す大胆で革新的な取り組みが求められます。「やぶくる」はまさしく、この社会的課題を解決していく基礎となるモデルであると考えています。皆さまの理解と協力をお願いします。
市長 広瀬 栄
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