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まちの文化財(223)

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兵庫県養父市

■牧野富太郎と氷ノ山
NHK連続テレビ小説「らんまん」は「日本の植物学の父」、牧野富太郎博士がモデルです。牧野博士は、兵庫県博物学会が実施した氷ノ山の植物採集会の講師として、昭和12年8月7日から12日にかけて但馬を訪れました。
8日、朝6時に大久保の宿舎を出発し、県境の峠で11時30分に昼食ました。登山道で変わったカタバミを見て、即座に「ヒョウノセンカタバミ」と命名しました。標本を採取集して、午後2時30分に氷ノ山に到着しました。
記録には「山頂から南に200メートルくだると、古千本という場所に原生沼がある。アカモノ、ヤチスゲ、トキソウ多く、キソチドリ、バイケイソウ、ヤマドリゼンマイ、幾百年の老杉がある。天然の一大庭園を形成し、生物学的、地理的に往古の謎を秘めている」と報告されています。博士は蝶ネクタイに背広姿で植物を採集し、ここを「こせ沼」と命名したと言います。
9日には鉢伏高原を、11日には妙見山と名草神社を訪れて日畑に宿泊、12日は八鹿駅から帰路につきました。
牧野博士は「氷の山から谷底見ればお万居らない田がつづく」、「霊気鍾処氷山聳(霊気あつまるところ氷の山そびえる)」の書を残しています(『兵庫県花の歴史探訪』橋本光政著を参照)。
(教育委員会歴史文化財課)

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