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まちの文化財(225)

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兵庫県養父市

■名草神社拝殿の絵馬
名草神社の拝殿は、昨年10月に修復が完成しました。江戸時代の元禄2年(1689)に建てられた建造物で、この時に奉納された2枚の絵馬が拝殿の正面にあります。
左側の絵馬は、武者姿の女性が左手に弓、右手に軍配を持って立っています。これは神功皇后です。そして白髪の老人が乳児を抱いています。神功皇后は玄界灘を渡って新羅を降伏させ、凱旋した九州で応神天皇を生んだとされています。安産や子供の成長を祈願する画題です。
もう一つの絵馬は、日本武尊が日本を統一するために九州の熊襲と戦う場面と断定しています。鎧の上に白い衣を着た人物が日本武尊です。武運長久や大願成就を願う題材です。日本武尊は神功皇后の夫である仲哀天皇の父にあたります。
修復前の絵馬は、絵の具が剥落して表面は木目が見えるだけの状態でした。絵の具が風化を押さえて板の表面に凹凸を作る特徴を利用して、板の表面に斜光ライトを当て、丹念に絵を復元しました。
絵馬はいずれも幅237センチ、高さ189センチの大きさです。1枚の大きな杉板を、2枚に割って利用しています。330年以上も昔の参拝者の願いが、大きな絵画を通じて伝わってきます。
(教育委員会歴史文化財課)

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