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まちの文化財(226)

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兵庫県養父市

■蛇紋岩の彫刻家たち
蛇紋岩の地層が広がる地域のお米は養父市の特産品で、蛇紋岩米や温石米と呼ばれています。昔、この石を焼いて布に包んでカイロとしたことから温石石と呼ばれました。
大屋で産出する蛇紋岩を使った彫刻が、大屋の蛇紋岩細工です。『大屋町史史料編』では、蛇紋岩で制作した灯籠や石仏、狛犬、手水鉢、礎石、墓石などを紹介しています。
江戸時代後期から昭和初期にかけて由良の伊澤家は、伊兵衛、元三郎、周三郎、馬造と4代に渡って活躍しました。元三郎は、文政12年(1829年)、福王寺の境内に弘法大師千年供養塔、安政2年(1855年)に寄宮の弥勒堂に弥勒菩薩坐像を制作しています。周三郎は、明治15年(1882年)に京都市の北野天満宮で8カ月もかけて牛の石像を制作しました。
須西の観音堂前に弘法大師坐像、大谷の曹源寺と大江の養泉寺には地蔵菩薩坐像があります。これも元三郎が制作したと推定しています。また、市内各地に蛇紋岩の灯籠があります。
明治末期から昭和前期、由良の丸山増蔵氏や向繁一氏が優れた美術品を制作し、昭和50年代には夏梅の鎌田正夫氏や大屋市場の水田操氏が活躍し、新聞やテレビで紹介されました。但馬で活躍した石の彫刻家たちです。
(教育委員会歴史文化財課)

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