「カナダと言えばメープルシロップ!」と思い浮かぶ人はいませんか?メープルシロップは、サトウカエデの樹液を煮詰めて作る天然の甘味料です。メープルシロップは、液体状でパンケーキやヨーグルトにかけて食べるイメージがあると思いますが、実はカナダでは季節によって違う食べ方もあります。そこで、カナダの冬の文化を味わってもらおうと、3月に行われたはちぶせ雪まつりで「メープルタフィー」の屋台を出店しました。
メープルタフィーとは、メープルシロップを煮詰めて細かく砕いた氷の上に垂らし、固まっていくシロップをスティックで巻き取って作るキャンディーのことです。寒い日々を盛り上げようと、毎年2月から3月にかけて地元のシェフやアーティストを招き、冬の味覚を祝う冬祭がフランス語圏のケベック州や、私の出身地であるオンタリオ州の各地で行われます。雪がたくさん降る東部地域では、実際に新鮮な雪を使ってタフィーを作り、子どもから大人まで「これぞカナダ!」と楽しく味わっていますが、今回のイベントでその姿が思い出されました。
実は、全世界のメープル製品の約8割はカナダで生産されています。国旗の中央にまであるカエデの葉はカナダの象徴的なシンボルです。そのカエデの樹液からできるシロップは、もともと欧州の入植者が北米の先住民族から直接学んだ、まさしく異文化交流から発展した甘味料です。今回メープルタフィーを試食したスキー客の方々には、メープルシロップを生んだカナダの歴史や文化を感じていただくと同時に優しい甘さを通して日本とカナダの友好関係、お互いの文化への理解を深める機会を持ってもらうことができ、国際交流員として、少し貢献できたと感じました。
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