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まちの文化財(236)

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兵庫県養父市

■関宮村の大火
寛政4年(1792)関宮村で大火があり、生野代官所に提出された被害報告には「焼失戸数95軒・土蔵9カ所・寺社3所焼失」との記録があります。
村役人の能見吉延は、次のように説明しています。「3月15日正午に民家の灰から出火し午後4時までに住宅、多聞寺、毘沙門堂、荒神社が焼失した。米を入れた郷蔵も焼失した。種もみは井戸や溝につけて逃げたが、一面が火になって水が湯になったので役に立たなかった。上山まで火があがった。けが人や牛馬の焼失はなかった。羅災者は335人である。火元の家の者は村を捨てて出奔した。」
屋根瓦がない茅葺き屋根の時代で、強風の日に火事が発生したため、村が全滅するような大災害となりました。
復興の記録では、多聞寺本堂が寛政7年(1795)2月、毘沙門堂が文化3年(1806)6月に再建されています。多聞寺本尊の聖観音菩薩立像は火事から救出され、現在も本堂にあります。
寛政8年(1796)、焼失した愛宕社を能見吉延が多聞寺の裏山の愛宕山に再建し、文化12年(1815)には、関宮村が新しく秋葉社を建立しました。大火から23年、火伏の神様を祭って防災を誓い、村の復興を喜んだと推測しています。
(教育委員会歴史文化財課)

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