春の始めに、EXPO2025大阪・関西万博のカナダパビリオンの起工式レセプションに出席しました。カナダパビリオンのテーマは「リジェネレーション」で、「再生」を意味します。
北極圏に近いカナダの冬季はとても寒く、ほとんどの河川が凍ります。春になると気温が上がり、川の表面の氷が解け、氷の塊が割れながら下流に流れるまるで流氷のような自然現象が発生します。気温が上昇すると凍っていた川は動き始め、さまざまな色や形の氷が裂け目から表面に浮き出ます。これを、「Ice Jam(アイスジャム)」と呼びます。
パビリオンは、この魅力的な風景をモチーフに設計され、自然とともによみがえる、国を象徴する川の「再生」をイメージしています。「Ice Jam」は、長野県の諏訪湖で見ることのできる「御神(おみ)渡り」という冬の現象に似ています。
私がナイアガラ川から徒歩3分のところに住んでいた、移住して最初の冬の終わりに初めてこの現象を目のあたりにしました。すさまじい音と自然の力を肌で感じた体験を思い出し、とてもこのコンセプトを気に入りました。館内では、カナダを横断する川の流れを辿るストーリーの紹介で、カナダ社会の温かさや創造性を学べる体験を計画しているそうです。
2025年万博へのカナダの参加は、日本との長年にわたる緊密な関係を称え、両国の友好関係と人々の相互理解をより深める機会となります。ぜひカナダパビリオンを訪れて、各国の「いのち輝く未来社会のデザイン」を目にしてはいかがでしょうか。
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