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新春特別企画 市長、議長が語る「養父市のいま、これから。」(1)

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兵庫県養父市

市長
大林 賢一

議長
谷垣 満

あけましておめでとうございます。今号では、新春特別企画として、令和6年の振り返り、養父市が現在抱える課題、そして今年の展望について大林賢一市長と谷垣満議長が語り合う対談企画をお届けします。

■令和6年を振り返って
―昨年は、市制施行20周年という節目を迎えたほか、任期満了に伴う市長・市議会議員選挙がありました。お2人にとって印象的だった出来事はなんでしょうか。

市長:やはり市長という重責を担わせていただいたことが1番の出来事です。
また、能登半島での地震や豪雨も大きな出来事でしたね。

議長:私も、令和6年は選挙です。特に、地方議会の議員のなり手不足が課題になっている中、養父市では、定員16人に対し、21人が立候補しました。これは、思いのある人が多かったということと受け止めています。時代の変化を求める若い世代、同世代が増えてきたということは、共に議会を担っていく者として、心強く感じました。

■いま、養父市が抱える課題
―人口減少、少子化という養父市が抱える大きな課題に市、議会としてどのように取り組みますか。

市長:就任当初から言い続けていますが、地域経済の安定に力を入れたい。経済が安定すれば、養父市に人が残り、子どもが生まれる。そのような仕組みを作り、人口減少が緩やかなカーブになるよう取り組むつもりです。

議長:地域経済や行政サービス、農業、また医療、福祉、介護、看護のほか、地域コミュニティを維持することすら困難な現実が、各方面で顕在化していると感じています。便利さを追求するという時代から、不便さを許容していくということが求められる時代になってくるのではないかと危惧しています。
ただ、そのような時代になっても、弱者や少数の人にしわ寄せがいかないような仕組みを作り、財源や資源を集中させていくことが、これから必要になってくるのではないでしょうか。

市長:毎年開催している「YBファブのナツフェス!」は、こんなに若い人たちがいるということを認識できる良い機会。そういう姿を見て、養父市に帰ってきたいとか、戻ってきて何かしたいと思うような人を増やす場を作るために楽しい催しを開きたいですね。
どの分野でも、人不足と言われています。人材不足で仕事をしたくてもできないという民間企業もありますので、戻ってきたいと思える養父市にしたいです。

―人口減少以外で、養父市が抱える課題は何でしょうか。

市長:地域のお店が閉店したり廃業したりということが起きているので、地域経済の支援に重点的に取り組んでいきます。
また、孤独や孤立をなくすために、セーフティネットを強化し、社会的処方に取り組む必要があります。
地域経済の好循環を生むために、地元のことは地元の企業が取り組み、地元で消費し、雇用を増やすことで、養父市で会社をやっていてよかったと思ってもらえるような仕組みを作りたいですね。

議長:少し前から議会と高校生との意見交換会を行っています。都会への憧れがありつつも、地元が好き、おじいちゃんやおばあちゃんが好き、地元に残って貢献したいという若い世代が多いことは、私が高校生だった頃からの変化だと思います。地域に残る若い世代、担い手がいる地域は、数が少なくなっても消滅することはないと考えています。養父市で生まれた子どもや若い世代が自分らしい生き方や暮らし方を実現できるまちになることが大切です。

市長:中学生や高校生に地元の企業を知ってもらう取り組みも必要ですよね。都会に出ても、養父市や但馬地域にどのような就職先があるのかという情報があれば、養父市に帰ってくるための選択肢も増える。
これまで企業のみなさんに、ホームページやSNSで情報発信をしようと呼びかけてきました。高校を卒業して就職するとき、大学に進学して養父市に帰ってくるときに、就職に関する情報がいつでも手に取れるようになれば、アプローチしてみよう、会社見学に行ってみようと、帰ってくるきっかけになると思いますので、若い世代に向けてきちんと情報発信をするということは、企業にとっても大切だと思っています。

議長:給与や待遇の差もありますが、若い世代が仕事を選びづらい、自分のやりたい仕事が養父市では限定されているから都会に行ってしまうということはひとつの課題。
養父市にいながら受注から納品までできるような仕事、例えばデジタルを活用したアニメやゲームの制作など、地元にいながら、都会や世界を相手に仕事ができるようになれば、若い世代にも地元に残る選択肢が生まれるのではないでしょうか。若い世代が望む暮らし、働き方、生き方を地元で提供できれば、若者から選ばれる地域になると思いますので、市長と一緒になって進めていきたいですね。

市長:大阪で働いていたことがありますが、都会で暮らすと、かかるお金も多い。結婚して子どもが生まれたら、車が必要。車があると、駐車場が必要。家賃などの経費を考慮すると、あまり使えるお金がありませんでした。
給与は都会よりも少ないかもしれませんが、養父市で働く方が、自分のためにお金を使えて、心豊かな生活ができるのではないでしょうか。近くに親や親せき、知り合いもいますし、何かあればすぐに相談できる環境があるということも含め、養父市に帰ってきてからの生活の方が、私は満足しています。

議長:昨年12月の定例会で、高校卒業以降も養父市に住み続ける若者に対する支援について、市長から発言がありましたよね。Uターンした人に対する支援はありますが、養父市に住み続けている若い世代に対する支援がないという意見は、以前から議会でもありました。

市長:高校を卒業して働くということは、納税者になるということです。就職するとなれば、車やスーツを買うための経費が必要。養父市に住み、結婚して、子どもが生まれれば人口増につながります。今後、そういった人たちをサポートするための制度設計を進めていきますが、高校を卒業して働く人たちに「養父市に残ってよかったな」と思ってもらえるような仕組みを作るつもりです。

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