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まちの文化財(245)

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兵庫県養父市

■臨向寺の頂相(ちんそう)
門野バイパス北側の糸原区に臨済宗大徳寺派の省蘆山臨向寺があります。室町時代の文明年間(1469~86年)に、晦翁宗昭(まいおうそうしょう)大禅師が訪れて臨向寺を開山しました。
晦翁宗昭は、京都の大徳寺第48世を務めた後、森区にある祐徳寺の住職を務め、晩年に退隠して臨向寺の開基となりました。なお、大徳寺第47世は有名な一休宗純です。
人物を描いた肖像画の中でも、禅宗の僧侶の肖像画を特に頂相と呼びます。この頂相は、師の僧侶が弟子に印可の証として自ら賛という文字を書いて与える場合があります。他にも師の亡き後、弟子が制作して追善の法要に用いられることもあります。
臨向寺には、室町時代に描かれた貴重な晦翁宗昭の頂相が伝わっています。顔貌の描写は堅実で精細に富んでいます。頂相には「明応三年(1494)甲寅菊月(9月)廿四日 前大徳晦翁宗昭書」の文字があります。
他にも大徳寺第26世を務めた養叟宗頣(ようそうそうい)の頂相が伝わっています。長禄元年(1457)、晦翁宗昭の師である養叟宗頣が宗昭に与えたものです。宗頣の頂相は大徳寺にも伝わっていますが、臨向寺のものは最晩年の姿です。
大徳寺と臨向寺の歴史を伝える2点の肖像画は全国的にも貴重なものであり、養父市指定文化財になっています。
(教育委員会歴史文化財課)

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