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自治体の皆さまへ

じんけん通信「あけぼの」第189号

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兵庫県高砂市

■命をつなごう大作戦!(阿弥陀こども園)
令和6年度より、阿弥陀こども園の建て替え工事が始まります。51年間、たくさんの子どもたちや保育士、保護者や地域の人を見守ってくれた阿弥陀こども園。子どもたちの豊かな成長のために頑張ってくれた園舎、園庭、遊具、そして苗木から大樹になった木々たち。園舎が新しくなることは、とても嬉しく楽しみですが、何もかも新しくなってしまうことが少し悲しくもあります。そこで、「命をつなごう大作戦!」を計画しました。

◇命よ つ~なげ
春には、満開の花で子どもたちの入園、進級をお祝いしてくれたサクラの木。花びらが風に吹かれてヒラヒラ舞い落ちてくると、夢中になって追いかけっこをしたり、ハート型の小さな花びらを1枚ずつそっと集めて宝物にしたり。
ある時、「サクラの木に葉っぱが生えてきとる!」と気付き、サクラの木の変化に興味を持つ姿がありました。子どもたちに木にも命があることを実感する経験をしてほしいと思い、5歳児に聴診器を使ってサクラの木の音を聞いてもらうことにしました。
子どもたちは興味津々な表情で聴診器を木の幹に当て、聞こえてくる音にじっと耳を澄ませていました。「音がした!」「すごい!」「なんで?」「木の中ってどうなっとるんやろ」と驚いたり、不思議に思ったりする子どもたち。その後、自分の胸にも手を当てると、「ドクドクしとる」「サクラと同じや」と自分の命の音にも触れました。このサクラの命は挿し木にしてつないでいく予定です。
他にも、園庭に涼しい木陰をつくり、かくれんぼ、虫探しなどたくさん遊ばせてくれている大きなケヤキは、種が飛んでかわいい赤ちゃんの芽が出ています。これからもさまざまな命との出会いから、自分も相手も大切に思う気持ちを育んでいきたいと思います。

◇阿弥陀こども園ありがとう
6月の5歳児の親子ふれあい遊びでは、いつも見守ってくれた園舎にありがとうの気持ちを込めて、親子で絵の具を使って園舎の壁を飾りました。
「みんなニコニコ笑ってるところ」「生き物もいっぱい描こう」「いろんなお花が咲いてるよ」と保護者や友だちと話をしながら、こども園で過ごす中で楽しかったこと、嬉しかったこと、一緒に過ごす大好きな仲間、花いっぱいの園庭など、一人一人の思い出や温かいメッセージが、園舎の壁いっぱいに描かれました。この活動を通して、子どもたちだけでなく保護者にとっても、園がさらに愛着のある場所になったように思います。「みんなの絵を見ると、温かい気持ちになるね」「親子でまた阿弥陀こども園で思い出づくりができてよかった」「ぼくもここの卒園生やねん」という言葉もありました。これからも、阿弥陀こども園がみんなに愛されながら、新園舎へとつながっていけるように見守っていただけると嬉しいです。

■ヒラメさん、大きくなって帰ってきてね ~地域との交流を通して育む人権感覚~(伊保南小学校)
本校では、地域とともにある学校づくりの実現に向け、校区にある伊保漁業協同組合との連携を図り、毎年3年生の環境体験学習として、年に2回の体験交流に取り組んでいます。
5・6月ごろには、漁港で獲れた海の生き物に触れるタッチプールや、ヒラメの稚魚放流活動をします。冬には海苔養殖を見学し、板海苔づくりを体験します。手で触れて「いのち」の重みを実感し、海に広がる命の世界と自分たちへの命のつながりについて考えることで、人権感覚の基本になる、互いに支えあって生きる「共生の心」を育む機会となっています。

《ヒラメの稚魚の放流》
5月の漁港訪問では、「『伊保南の海を調べよう』~海で働く人にインタビューをしよう~」をテーマに学習しました。

▽児童の感想
・ヒラメの赤ちゃんを海にかえしました。顔がおもしろかったです。あと、かわいいし、元気でした。泳いで海にかえっていきました。また会いたいです。
・漁師さんが、朝の4時から働いていると聞いてびっくりしました。
・ヒラメの赤ちゃんに名前をつけました。名前はひいちゃんです。元気に育ってほしいです。
・漁師さんに質問したら、海と魚についていろいろと答えてくれました。

《地域への理解》
漁港訪問は、3年生の校区探検の一環として行いました。児童は、自分たちの校区の田畑や公園、町や海の様子を実際に見て、地域の環境について全体的にとらえることができました。

▽児童の感想
・探検の時、たくさんあいさつを返してくれて、伊保南はやさしい人がいっぱいいると思いました。
・梅井は歴史が古い町だとわかりました。

◇活動を通して
児童は、漁港での体験から、命のつながりについて考えるとともに、そこで働く人への感謝や地域の人々との関わりも学びに変えていました。今後もこういった活動を計画し、学びを深め、一人一人の児童に豊かな人権感覚が育まれるよう支援したいと思います。

■CAP(キャップ)~子どものための人権教育プログラム~(人権推進課)
子どもたちが安心・安全に成長していくために、なくてはならない大切な権利「安心」「自信」「自由」。
CAP(Child Assault Prevention/子どもへの暴力防止)プログラムは、この3つの権利が奪われそうになったら何ができるかを子どもたちと考え、子どもの自尊感情を高め、暴力から身を守る力を引き出す人権教育プログラムです。
市では、毎年、市内の公立・民間園の中から2園に専門の講師を派遣し、CAPプログラムを実施しています。3部構成の子どもCAPプログラムは、人形劇や役割を与えられた子どもたち自身が登場する劇も取り入れ、体を動かしながら楽しく学べる工夫がされています。子どもは、子どもの安全のために真剣に取り組んでいる大人がいること、子どもの話に耳を傾ける大人がいることを知ることになります。

《CAPの三つの理念(harimacapribaホームページより転載)》
▽エンパワメント
エンパワメントとは、子どもは守られるべき力のない存在としてとらえるのではなく、子どもにも内なる力があるという考え方です。
CAPプログラムは、子ども自らがあらゆる暴力から身を守る方法を学べるような工夫があります。

▽コミュニティ
CAPでは、子どもたちの安全のために、教職員や保護者・地域の大人たちが子どものサポートをすることが大切だと考えています。
CAPプログラムで共通認識を持ち、学校・家庭・地域が一体となって、子どもの安全と権利を支えます。

▽人権意識
CAPプログラムでは、ひとは誰でも安心して自信を持って自由に生きる権利があると説明します。
暴力とは、この3つの権利が奪われることです。CAPプログラムの中では、この3つの権利が奪われそうになったら何ができるかを子どもたちと一緒に考えていきます。

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問合せ:人権推進課
【電話】443-9060

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