5月31日(水)、久遠漁港において、トラウトサーモン海面養殖試験事業により飼育されたサーモンが出荷されました。
この試験事業はひやま漁業協同組合が事業主体となって行っているもので、近年のスルメイカの不漁により、地域産業の衰退が懸念されたことから、トラウトサーモンの養殖に取り組みたいとの漁業者の強い要望があり、せたな海域での適応性や採算性を検証する事業として令和3年度から3カ年計画で進められております。2年目の課題として(1)増肉計数の改善、(2)飼育期間の延長とし、昨年11月15日に岩手県から搬入した約450gの幼魚を海水馴じゅんち致(淡水から海水に馴らす)作業後、生け簀で飼育を開始しました。(1)の課題として、沈むタイプの餌を浮くタイプに変更したことにより、増肉計数(1kg増えるのに必要な餌の量)が1.81から1.46と大きく改善され、(2)についても飼育期間を2週間延長したことにより、17%の増産が確認されました。
最終生産量は、平均重量2.5kg1928尾、総量約4.8トン、大きいものでは4.7kgとなりました。出荷されたサーモンは、王子サーモン北海道工場で加工され、百貨店やオンラインショップで販売される予定です。
また、当日は漁港内の荷捌き所で町民限定還元として約3kgのサーモン100尾が販売されたほか、80尾が町内の商店等に卸されました。水揚げされたサーモンの身は、鮮やかなオレンジ色で脂のりも良く、とろけるような食感が存分に味わえました。
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