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法テラス 八雲通信

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北海道せたな町

■建物の老朽化について

法テラス 八雲法律事務所
弁護士 是永 克巳(函館弁護士会所属)

◇建物は土地と並んで、重要な財産です。ただ、建物はやがて老朽化していきます。その場合、どのような問題が生じうるでしょうか。

◇底地が借地の場合、建物が老朽化して役に立たなくなると、建物が「朽廃」したとして、借地契約の解除理由となります。借地人の請求により、借地権者は建物を解体して、底地を返還しなければなりません。

◇そうでない場合でも、建物が老朽化すると、破損等の危険が生じるようになります。では、建物の全部又は一部が破損するなどして、他人にケガを負わせたり、物を壊したりした場合はどうなるでしょうか。

◇この場合、法律上は、建物の占有者が不法行為責任を負うことになります。占有者というのは、簡単に言えば、その建物を支配下すなわち自由に使用できる状態に置いている人のことです。その建物に居住している人などがこれに当たります。

◇占有者がいない場合、又は占有者が管理を尽くしたといえる場合には、建物の所有者が不法行為責任を負うことになります。登記簿上の所有者でなくても実質的に所有者であれば、この責任を負います。例えば、建物の相続後で遺産分割前であれば、原則として法定相続人全員の共有となっています。この共有者全員が責任を負うということになる訳です。占有者はいるけれど、共有者の一部の反対で十分な管理ができなかった場合は、共有者が責任を負う可能性があります。

◇この法律上の責任は、無過失責任です。つまり、建物の管理に落ち度がなくても責任を負わなければなりません。

◇このように、建物は、重要な財産であるだけでなく、大きな責任を伴う物件でもあります。
したがって、相続などで建物の所有者・共有者となった場合には、どのように管理していくかを十分に考えておく必要があります。

◇さて、当事務所でも、相続を含めた各種法律相談を受け付けています。一定の要件を満たす方については、3回までの無料法律相談をすることもできます。少しでも気になることがございましたら、お気軽にぜひ「法テラス八雲法律事務所」まで相談予約のお電話をお寄せください。

問合せ:法テラス八雲法律事務所
【電話】050-3383-8366

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