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みんなでSDGs

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北海道ニセコ町

SDGsについて解説していく本コーナー。今月は15番目の目標「陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る」です。
豊かな森はきれいな空気と水の供給源となって、私たちの暮らしを支えています。しかし、私たちの暮らしが豊かになるにつれて、多くの自然が破壊され、そこで暮らす多くの生物が絶滅の危機にあります。世界では毎年4万種の生物が絶滅していると言われ、観測当時の約50年前と比べて40倍の絶滅スピードに達しています。世界の森林も日本の国土の約14%にあたる面積が1年間で地球上から無くなっています。
みなさんはアメリカのイエローストーン国立公園の話を知っていますか?もともと生息していたオオカミが周辺の家畜や公園内の動物を食べ尽くす可能性があると判断され、すべてのオオカミが駆除されました。すると、捕食を免れたシカなどの草食動物が増え、もともとの森林や草原の植生を生息環境にしていた生物がすみかを失い、食物連鎖はボロボロになり山は荒廃していきました。
その後、生態系を取り戻すために14匹のオオカミが公園に放たれ、増えすぎていたシカの数が元に戻り、木々が茂るようになって野鳥も戻ってきました。オオカミの代わりに増えていたコヨーテも減少し、ウサギなどの小型哺乳類も元に戻りました。続いてこれを捕食するビーバーの個体数も戻り、川の近くに住むカワウソやアナグマ、両生類、川魚などの個体数も復活していきました。このように、人間が自分たちの生活を守るために駆除したオオカミが、実は周辺環境の生態系の維持に重要な存在であることがわかりました。
恐竜と同じで、一度絶滅してしまった生き物は二度と戻りません。自然破壊で行き場を失う生物たちを守っていくことも人間の責任です。

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