地球温暖化の急速な進行や深刻な気象災害の多発など、地球規模で環境の危機が迫っている昨今。ニセコ町も決して例外ではありません。町の雄大な自然や美しい景観を守るために、私たちにできることは何か。
今回は、”ニセコ町の自然を守り、未来へつないでいきたい”という強い思いを持ち、地域と連携したまちづくり活動に取り組んでいる「NIS-ECOプロジェクト」についてお伝えします。
町では、気候変動を深刻な課題と捉え、2050年までに二酸化炭素排出実質ゼロ(ゼロカーボン)を目標に掲げています。その目標達成に向け、補助金による再エネ・省エネ設備導入の促進や、環境負荷の低減を実現する高性能な集合住宅・新たな街区の持続可能な開発など、気候変動対策・脱炭素に向けた取り組みを進めています。
◆持続可能な観光の取り組み
町は2022年3月に、観光地として今後の目指すべき将来像や観光地づくりの方向性を示す「観光振興ビジョン」を策定しました。この計画は、これからの観光地づくりの新しい基準として持続可能な観光の国際基準(GSTC-D)と、観光庁の日本版持続可能な観光ガイドライン(JSTS-D)を踏まえたものになっています。
◆課題と将来像
ニセコ町観光振興ビジョンでは、町の観光の課題として、次の5つを挙げています。
・観光需要の季節変動
・観光経済波及効果の向上
・二次交通(域内交通)の機能強化
・国際的な競争力の向上
・町民の観光に対するコミットメント(理解と参画)
これらの課題を踏まえ、観光振興ビジョンでは、目指すべき将来像を「町民や観光客から信頼される、持続可能な観光リゾート」としています。
町の観光を支える豊かな自然資源を次の世代につなげていく責任と、観光客だけでなく、町民からも愛され信頼を集める、町の暮らしと調和した観光地を目指しています。
これらの町が掲げる将来像に共感し、町民のみなさんが主体となった持続可能なまちづくりプロジェクトが始まっています。
◆NIS-ECOプロジェクトとは
国内屈指のリゾート地であるニセコエリア。パウダースノーと呼ばれるフワフワとした雪は、世界に誇れる雪質として多くの人から愛されています。また、夏には羊蹄山の湧水が流れる尻別川で、ラフティングやカヌーなどのアクティビティを楽しむことができます。さらに、多くの高山植物や豊かな泉質の温泉など、雄大な自然は私たちにたくさんの恩恵を与えてくれます。
こうした町の豊かな自然を守り、子どもたちの未来へとつないでいくために、町内事業者や役場職員、地域おこし協力隊など、町の自然を愛するメンバーが集結。官民連携でニセコ町の地域資源を守り、次世代へ受け継ぐ取り組みとして、2022年にNIS-ECOプロジェクトが立ち上げられました。
・NIS-ECOプロジェクトのコンセプト
・NIS-ECOプロジェクトロゴ
※詳細は本紙をご覧ください。
資料:NIS-ECOプロジェクト運営事務局
◆どんな取り組みをしているの?
地域全体でニセコ町の資源を守り次世代へつないでいくため、環境に配慮した商品開発や企画の考案など、本質的で持続可能な活動に取り組んでいます。これらの活動をきっかけに、地域全体のSDGsへの認知・理解体制を深め、事業者・旅行者それぞれにとっての地域資源の付加価値を高めることを目指しています。
◇未来寄付商品
ニセコエリアで販売される商品・サービスの売り上げの一部を町の自然を守る活動に活用する寄付型商品です。オーガニックコットン(GOTS認証)を使用し、フェアトレードに配慮したNIS-ECOオリジナルバッグやTシャツ、プラスチック削減を目的とした宿泊施設向けの竹製歯ブラシなども未来寄付商品として販売しています。これらの商品は現在、町内での取り扱いや販売場所を拡大中です。
◇森を守る活動
植樹体験や森歩き、間伐材活用などを通して人と森とのつながりを作り、町内の豊かな自然環境を守る活動をしています。
◆「未来寄付」とは
ニセコエリアで販売されている商品・サービスの売り上げの一部を、寄付金として町の自然を守る活動に活用する仕組みです。
◇未来寄付への登録方法
(1)ニセコエリアで販売されている商品・サービスのうち、希望する商品・サービスを「ニセコ未来寄付商品」として登録
(2)登録商品に対象シールを貼付販売。事前にシール購入代金として寄付計上(現在1シール20円~)
※無形サービスの場合は要相談
(3)いただいた寄付金を町の自然を守る活動に使用します
◇「ニセコ未来寄付商品」登録後の広報支援
町の自然に優しい商品・サービスとして、公式サイトでのご紹介をさせていただきます。
(1)ブログ記事での紹介
登録商品について紹介記事を掲載します。
※製作費などは発生しません。記事は二次利用可能です
(2)企業ロゴの提出
支援団体として、サイト内に企業ロゴを掲載します。ロゴから指定サイトへのリンク設定もできます。
◇未来寄付対象商品シール
・未来寄付商品へご登録いただいた商品・サービスは、永続的に寄付商品・サービスとして提供いただくことを想定しています。
・シールの貼付が難しい商品やサービスの場合、POPやチラシでの対応も可能です。NIS-ECOロゴデータの提供もできます。
今年8月~9月に農業と観光の連携企画として実施された、絶景×野菜を楽しむ期間限定イベント「べジピク」では、売り上げの一部をNISECOプロジェクトへ寄付していただきました。
現在は、町内13の企業・団体からニセコ未来寄付商品への登録・参画にご協力いただいています。
ニセコ未来寄付商品活用事例:
・髙橋牧場ニセコミルク工房ニセコ米粉のミルククッキー
・NASUNINJINニセコ手ぬぐい
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